娘と母 ページ14
緑谷家のリビングに住み着いてから数日がたった。
あれから変わったことといえば、そう多くない。
出久は変わらず毎日特訓してるし、私もずっと家に居るかといえばそうじゃない。
住んでるところは変わったけれど、やっぱり公園が一番落ち着くから、ご飯とかの用がない時は公園でぼーっとしているかゴミを漁っている。
別になにか見つけたところで、持ってったりする訳じゃないけどね。
今までの習慣だったから、癖が抜けないだけだ。
ああでもひとつ。
これまでは大抵オールマイトが特訓に付き合っていたのだが、昨日からガリガリのおじさんに変わっていた。
というか何故にオールマイトが特訓に？
そして、ある日。
「Aちゃん、買い物行きましょう！」
お母さんから買い物の誘いが来た。
どうやら私の荷物の少なさやらから、色々買い足そうと思っているようだ。
『まあ、良いですけど。』
ということで、二人で大きめのショッピングモールに行くことになった。
「Aちゃん、こんなのどう！？」
「これとかもうかわいいわぁ…！」
「こういうのも似合いそうね！！」
帰る頃には体力は底を尽きていた……。
帰りの車の中で紙袋を抱えながらぐったりしている私に、お母さんが話しかけてきた。
「なんかごめんねぇ……
娘なんていなかったから少し張り切っちゃって……」
『いえいえ。
私もこんなとこで買い物なんてほとんど初めてだったんで、楽しかったですよ。』
ミラー越しに見えるお母さんの顔が少しほころぶ。
よかったよかった。
ちなみに楽しかったというのは本当だ。
親と一緒に買い物なんて小さい頃に行った記憶が微かに残っているだけだし。
「……Aちゃんは、中学校もう行きたくない、かな？」
少し控えめに聞かれたその問に、若干顔が曇った。
「学校」という場所は正直あまり好きではない。
あの事件のせいで、通っていた間は私に近づく人はほとんどいなかった。
小学校中学年にもなってくると、どうせ私の個性で治って後も残らないから、と暴力を振るってくる奴らもいたし。
治ると言っても痛くない訳じゃない。
『正直なところ、学校は苦手ですけど……
……お母さんが行って欲しい、って言うなら、行きますよ。』
「そう……」
せっかくほころんだ顔をまた険しくさせてしまった……
お母さんが「少し考えさせて」と言った後は、話すこともないまま家に着いた。
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れふたー(プロフ) - 結衣さん» そこまで言って頂けて嬉しいです！学業との兼ね合いで更新に波があったりしますが、できるだけ毎日更新できるように頑張ります！ (2020年5月2日 15時) (
レス) id: 71a6eff1cd (このIDを非表示/違反報告)
結衣 - この作品最高です！！！頑張ってください！！ (2020年5月2日 14時) (レス) id: 595fd40667 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：れふたー | 作成日時：2020年4月15日 0時
