笑顔 ページ12
そして翌日。
夕方の出久の特訓が終わった後に、また家に案内してもらう予定だ。
それでこの「怪物の巣」とはお別れになる。
流石に二年も住んでいれば少しは感慨深いものがあるかとも思ったけれど、特にそういうことは無かった。
むしろ、「家族」というものへの期待と不安でそれどころではない……！
『はやく来ないかなぁ出久……』
「怪部さーん！」
『うぇっ』
振り返ると、出久がこっちに走ってきている。
え、なんでまだ学校の時間じゃ……？
「ごめん、僕の間違いで今日は学校休みだった……！」
『あー、そういう感じ？
……ていうか呼び方戻ってるよ。』
「あぁっごめん怪部さっ……A……」
『よろしい。
んで、学校無かったってことはもう行けるってこと？』
「……」
ん？反応がないけどなんだこれ……
目を見開いたまんまつったっていらっしゃる。
迎えに来たんじゃないのか？
『出久？』
「えっ＿＿＿あぁうん、そうそう！迎えに来たんだ。」
『……さっきの間は何？』
「……えっと、その……
Aが笑ってたから……」
＿＿＿え？
もしかして思ってたこと顔に出てた？
うわ恥ずかしいわ中学生にして家族にうきうきしちゃってるとかああもおおおお！！
『わ、笑ってたらなんか悪い？』
「な、なにも！！」
睨みを効かせながらそう言うと、出久は肩をビクッとさせていた。
『んで、私ならもう行けるけど。
どうせ持ってくものもあんまねえし。』
「そう？ならまた案内するよ。」
『……えーと、出久？
なんでまた手出してんの？
今まだ明るいし、道ももう何となくわかるよ？』
当たり前かのように自然に手が差し出される。
前の私の話聞いてなかったんか。
「ええぇと、個性の制御慣れてった方が良いかなって！！」
『ったく、怪我しても知らんよ、私は。』
また手を繋いで家まで行くことになった、が。
ひとつ私は重大なことを忘れていた。
「あの子たち、手を繋いでるわ……！」
「付き合ってるのかしら？」
今はまだ明るい時間。
それなら、外に人がいるのは当たり前のことで。
横を見れば、耳まで真っ赤になった出久が俯いて歩いていた。
その後も熱い視線に耐えながら歩いていったのは言うまでもない。
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れふたー(プロフ) - 結衣さん» そこまで言って頂けて嬉しいです！学業との兼ね合いで更新に波があったりしますが、できるだけ毎日更新できるように頑張ります！ (2020年5月2日 15時) (
レス) id: 71a6eff1cd (このIDを非表示/違反報告)
結衣 - この作品最高です！！！頑張ってください！！ (2020年5月2日 14時) (レス) id: 595fd40667 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：れふたー | 作成日時：2020年4月15日 0時
