約束 ページ27
事務所から少し離れたカフェ。
こじんまりしたお店だけど、ケーキが美味しくて
練習生時代は帰りによく食べに行った。
入口で、深呼吸。
よし、入ろう。
気合を入れてドアを開けた。
カラン…ドアにかけられたベルが乾いた音を立てる。
カウンターでコーヒーを入れていたマスターは私を見て、目を見張ったけれど
すぐ笑顔になって奥の方を指さした。
いつもの指定席にゆっくりと近づくと、私は深々と頭を下げた。
「お久しぶりです。ジュヒョンオンニ。
そして。ただいま。スルギ…。」
「A。」
顔を上げると、鋭い視線で私をまっすぐ見つめるスルギと目があった。
ジュヒョンオンニがハラハラした顔で私たちを見つめている。
視線の強さに思わず立ちすくむ。
スルギ、怒ってる…。
当然だよね。
「とりあえず、座りましょ？ね？」
オンニのとりなしで、席に着いたけれど、スルギの真っ直ぐな視線は私に据えられたまま。
「Aは紅茶のスフレが好きだったわよね？飲み物はアールグレイでいい？
ねえ、スルギはチーズケーキにする？私はどうしようかな！」
場の空気を変えようとオンニが明るく話しかけてくれるけど、スルギはニコリともしない。
「スルギ…。」
「オンニ、いいんです。スルギが怒るのはもっともだから。」
私はスルギに向き合うと、もう一度頭を下げた。
「ごめんなさい。出過ぎた真似をして。一度やめたはずの私が帰ってきただけでも
みんなの気持ちを逆なでしてるのに、ダンスの相手役までして。
私は…ただ、私にできることがあれば、それが役に立つならって思って…。」
段々しりすぼみになる私の声。
しっかりしなくちゃ…私、どんな事を言われても受け止めないといけない。
「A。」
「は、はい。」
緊張して声が上ずる。
「何の話してるの？」
「えっ？」
ポカンとする私に、イライラしたようにスルギが詰め寄った。
「何でメイクなんてやってるの。なんで練習生として戻ってこないのよ！」
「ス、スルギ落ち着いて！」
「オンニはAに甘いのよっ！ちゃんと言わないとダメなのっ！」
スルギの迫力に私とオンニは茫然自失。
「歌えないって、本当なの？」
「…うん。」
「本当にどうにもならないの？」
「…うん。」
俯いたスルギに私はもう一度頭を下げた。
「ごめん。約束、守れなくて…ごめん。」
「ぱぼ…Aのパボ…！」
わあわあ泣きだしたスルギに、かける言葉が見つからなかった。
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ステラ(プロフ) - pirokoさん» ｐｉｒｏｋｏ様☆コメントありがとうございます！ちょこっと凹んでいた所だったので、本当にうれしいです。今繁忙期でなかなか書けない状態が続いていますが、暫く亀更新でもお付きあい頂ければ嬉しいです。 (2014年9月18日 0時) (
レス) id: c3640de5c1 (このIDを非表示/違反報告)
piroko(プロフ) - とても面白いです。続きが是非読みたいです。大変だとは思いますが、続き待ってます！！ (2014年9月16日 18時) (レス) id: 63490a15cd (このIDを非表示/違反報告)
ステラ(プロフ) - マナツさん» マナツ様☆コメントありがとうございます！本当に励みになります。ＳＪがお好きなのですね＾＾お好きなメンバーはいらっしゃるのでしょうか？頑張ってお兄さん達も書いていきたいです！ (2014年8月8日 23時) (レス) id: c3640de5c1 (このIDを非表示/違反報告)
マナツ - めちゃくちゃ面白いです!!!もう少しsuperjuniorが出てくれると嬉しいです!!!続き楽しみですo(^o^)o更新頑張ってください(*^^*) (2014年8月8日 18時) (レス) id: 78ae110d38 (このIDを非表示/違反報告)
ステラ(プロフ) - mchさん» mch様☆コメントありがとうございます！SMF大好きなので、完全に趣味の世界ですが、少しでも楽しんでいただけたら嬉しいです。コメントとっても励みになります！チャニョルがどう行動していくか、見守ってあげてくださいませ☆ (2014年8月4日 23時) (レス) id: eda0fb1300 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ステラ | 作成日時：2014年7月20日 0時
