寝不足 ページ48
うわぁ…朝日が目に染みる。
ドラキュラってこんな気分…いやいや大丈夫かな私。
練習中にメンバーの顔をスケッチしたものをＰＣに取り込み、
似合う色やメイク方法をペンタブを使ってシュミレートする。
色や大体のメイク方法を決めて、実際は本人の顔を見ながらバランスを
整えるのが私のやり方。
昨日は、一人数パターンのメイクを考えるのに夜中までかかった。
(なんせ１２人分！！)
朝のバレエレッスンだけは気合でこなしたけど、数十枚のメイクコンセプト資料と、
大きなメイクボックスをもって歩いている今現在、尋常ならざる眠気に襲われている。
朝のＭＴが終わって、フォトセッションが始まるまで、少し時間がある。
ちょっと仮眠をとろう…そうしよう…。
そんなことを思いながら歩いていたら、ドン、と何かにぶつかってしまった。
「あ…申し訳ありません。私の不注意で…。」
慌てて伏せていた目を無理やり開けると。
「A！」
「ジョンスオッパ！？」
「久しぶりだね。なんか大きくなったなぁ…。」
「オッパ…もう成長期はとっくに終わってるから。いつ戻ったの？」
「昨日の夜戻ってきたんだよ。社長にツアーの報告に来たんだけど、
Aと会えるなんてラッキーだなぁ。後でヒョクに自慢しよう！」
「もう…オッパは…。」
二年半前と全然変わらないやり取り。
いつもいつも優しく声をかけてくれる私の心のオアシス トゥギオッパ。
「A。目が赤いよ。寝てないんだろう？」
完全に気を抜いていた私は、オッパに指摘されて慌てて目をつぶる。
「赤くないよ。」
「嘘つくんじゃない。目を開けなさい。」
「大丈夫…。」
「Aが大丈夫っていうときは大抵大丈夫じゃない。」
ピシャリと断言されて、思わず笑ってしまった。
「オッパには全部お見通しね。」
満足そうに頷くと、オッパは廊下に置かれたソファに座ると、隣をポンポンと叩く。
素直に隣に座ると、ぐっと頭を肩に押し付けられた。
「寝なさい。」
「え？」
「始まるまでまだ時間はあるだろう？オッパがAを見守ってるから、
安心して寝なさい。」
優しい手が頭をなでて、その温かさと気持ちよさに瞼がだんだん降りてくる。
まだオッパと話したい事があるのに…その声を聴きたいのに…。
薄らぐ意識の中で、私は必死に伝える。
「オッパ、ありがとう…。」
声になったかはわからないけれど、オッパが笑った様な気がして。
幸せな気持ちで私の意識は途切れた。
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ステラ(プロフ) - ゆにさん» 初コメありがとうございます！楽しみにしてくださる方がいるなんて…（涙）のんびり更新ですが、頑張りますね！ (2014年7月4日 21時) (
レス) id: eda0fb1300 (このIDを非表示/違反報告)
ゆに - 面白いです（＾Ｏ＾）続きが楽しみです〜！更新頑張ってください*\(^o^)/* (2014年7月1日 21時) (レス) id: f8d1d6729c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ステラ | 作成日時：2013年11月3日 7時
