報告 ページ45
朝５時に起きて、洗濯と掃除を済ませると、簡単に食事をとる。
そして６時から１時間。バレエのレッスンをするのが私の日課。
小学生のころから続けている習慣だから、朝早いのは何でもない。
昨日倒れたことで、今日の午前中は強制的に休みを取ることに。
全く問題ないと言ったんだけど、ジュンミョンオッパとウーファンオッパが
頑として首を縦に振ってくれなかった…。
レッスンを終えて、シャワーを浴びた後。
私は早々に家を出た。
パリ・クロワッサンでクッキーを買う。
ファヨンの大好きだったコグマクッキー。
そして、いつものお花屋さんでたっぷりのカスミソウの花束。
地下鉄を降りると、坂道をゆっくり上っていく。
小さな鉄の門をくぐり、私はそこに立った。
「ファヨン。ただいま。」
私は持ってきたクッキーと花束をそっと置く。
「ごめんね。長い間離れていて。寂しかったでしょ？」
漢江を見下ろす高台の白い教会。
ファヨンが眠る場所。
ここに最後に来たのは二年半前。
アメリカに発つ前に、行ってきますを言いに来た。
ファヨンの名前の横に置かれた真新しい白いバラの花束。
大ぶりで可憐なアイスバーグはママがファヨンの為に育てていたバラだった。
小さなファヨンが病気で伏せていても寂しくないように、ママが丹精こめて作ったバラの園。
ママ…ファヨンの為に、絶やさずバラを手向けているんだね…。
「本当はここに一番に来ないといけないのに。ごめんなさい。
私、怖かったの。」
いつもそうしていたようにしゃがみこんで、妹に話しかけた。
「ここに来ると、あなたがいない事実を突きつけられるから。
私の中にはいつまでもあなたがいるのに。どうしても心がついていかないの。」
こみ上げる涙で視界がブレる。
「でも、アメリカに行って、そして帰ってから事務所で働き始めて。
たくさんの人に心配してもらって、励ましてもらって。
私、思ったの。あなたの事を一番ないがしろにしてるのは私だって。」
ふとオッパ達の笑顔が思い浮かんだ。
「ファヨンはあの日、私に夢を叶えてって言ったよね。
あなたの夢を叶えてあげることはできないけど、ファヨンは私の中に生きてるから。
だから私が生きれば、あなたも私と一緒に生き続ける。
あなたの好きだったこの世界で、私は頑張るから。見守っていてね。」
漢江を渡る風が強くカスミソウを揺らす。
(A)
ファヨンの声が聞こえた気がして、私はいつまでも漢江を眺めていた。
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ステラ(プロフ) - ゆにさん» 初コメありがとうございます！楽しみにしてくださる方がいるなんて…（涙）のんびり更新ですが、頑張りますね！ (2014年7月4日 21時) (
レス) id: eda0fb1300 (このIDを非表示/違反報告)
ゆに - 面白いです（＾Ｏ＾）続きが楽しみです〜！更新頑張ってください*\(^o^)/* (2014年7月1日 21時) (レス) id: f8d1d6729c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ステラ | 作成日時：2013年11月3日 7時
