鎮魂歌 ページ44
歌えなくなるって、どれだけ苦しかっただろう。
これからは僕たちが、君の代わりに歌を届けるよ。
【Ｄ．Ｏ ＳＩＤＥ】
「私は、もう歌えません。私の声がでなくなったのは、きっとファヨンが天国に
もっていって、今でも一緒に歌っているからだと思っています。
ファヨンは、私がオンニから習ったメイクをしてあげるととても喜んでくれました。
だから、そのメイクで。私は自分の夢を。
この世界で皆さんが輝くためのお手伝いがしたいんです。」
Aさんの話を聞いて、胸が苦しくなった。
僕は昔から歌う事が好きだった。
事務所に入って、そしてデビューできることになって。
好きな歌をたくさん歌える事がとても幸せだと思う。
だから、もし今歌えなくなったらって思ったら、怖くなった。
Aさんの事は、ジョンイニやリョウギヒョンからよく聞いていた。
とても歌がうまい子だったって。いつも暇さえあれば歌ってたって。
Aさんは、歌手になりたかったのは妹さんだって言ってたけれど。
本当はAさんも、歌が大好きなんじゃないのかな？
大好きなのに歌えない気持ちがわかる、なんて軽々しくいえないけど、
同じボーカリストとして、僕にできることはたった一つ。
「Aさん。」
静まり返った練習室に響いた自分の声。
皆が驚いた様に僕を見ている。
「妹さんの好きだった曲は？」
「ギョンスさん…。」
Aさんは何かを振りきるように答えた。
「ＹＯＵ ＲＩＳＥ ＭＥ ＵＰです。」
大丈夫。これならいける。
「ギョンス。」
僕の意図を理解したジョンデとベクが寄ってきて、肩を組んだ。
「ヒョン。」
ジュンミョニヒョンを見ると、ヒョンは大きく頷いた。
「皆、Aの周りで肩を組んで。」
Aさんは目を丸くして、僕たちの顔を見つめている。
大丈夫。これからは、僕たちが君の声になるよ。
メンバーの顔を見渡し、静かに歌いだす。
When I am down and, oh my soul, so weary
When troubles come and my heart burdened be…
僕が歌いだすと、ベクとジョンデが続き、そして全員が歌いだした。
あなたが支えてくれるから、私は山の頂に立てる
あなたが支えてくれるから、私は嵐の海も歩いていける
私は強くなれる、あなたが支えてくれるから
あなたが支えてくれるから、私はいつも以上に頑張れるの
円陣の真ん中で、大きく肩を震わせて泣きながら、Aさんは小さくつぶやいた。
「皆さん、ありがとう。」
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ステラ(プロフ) - ゆにさん» 初コメありがとうございます！楽しみにしてくださる方がいるなんて…（涙）のんびり更新ですが、頑張りますね！ (2014年7月4日 21時) (
レス) id: eda0fb1300 (このIDを非表示/違反報告)
ゆに - 面白いです（＾Ｏ＾）続きが楽しみです〜！更新頑張ってください*\(^o^)/* (2014年7月1日 21時) (レス) id: f8d1d6729c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ステラ | 作成日時：2013年11月3日 7時
