夢 ページ39
「ねぇ、A。わたしね、歌手に、なりたいの。」
「なれるよ。ファヨンは歌が上手だもの。」
「ううん。一人でなってもつまらない。Aも一緒にいないと嫌。
だから、Aも一緒に歌手になろう？」
「うーん。私は歌よりバレエが好きなんだけどなぁ。」
「お願い、A。私たちはずっと一緒でしょ？」
「わかった。じゃあ私が踊るから、ファヨンが歌って？」
「A大好き！約束ね？」
「うん。約束。」
これは、夢？
小さな頃の私たち。
ファヨンは体が弱くて、この日も熱を出して学校を休んでた。
学校から帰ってきて、真っ先にファヨンのベッドに駆け寄ると、ファヨンは
ＢＯＡオンニのＣＤを握りしめて、目を輝かせて言ったんだ。
歌手になりたい…って。
優しくて可愛いファヨンの声。
ファヨンの歌が大好きだった。
夢を叶えてあげたかった。
もうあなたの声が聞こえない。
一人じゃ歌っても意味がないよ。
だから私の声はファヨンが持って行って。
意識がどんどん落ちていく。
このままいけば、あなたに会える？
なら、いい。
そこには大好きなおばあ様もいる。
さみしくない。
ふと、誰かに呼ばれた様な気がした。
温かい何かに包まれる。
(…！A！)
…泣いてる…の？
(A…！)
お願い。泣かないで…。
「オッパ…泣かない…で。」
「A！」
目を開けると、チャニョルオッパの顔が見えた。
「よかった…A…。」
くしゃっと顔を歪ませたオッパの瞳からこぼれた涙。
私はまた優しいこの人を悲しませてしまった。
徐々に感覚が戻ってくる。
左手がとても温かい。
オッパ、手を握っててくれたの？
私がゆっくり体を起こすと、空いている右手をのばして、オッパの頬に流れた涙を拭った。
「オッパ。ごめんなさい。心配かけてごめんなさい。」
「いいよ。Aが無事でよかった。」
いつもの優しい笑み。
太陽の様な笑みが、私の心を軽くしてくれた。
「皆に説明しないといけないね。」
「大丈夫か？」
「…うん。ちゃんと、聞いてもらいたいから。」
立ち上がった私をオッパは支えてくれた。
「一緒に行こう。」
ありがとう。私、ちゃんと頑張るから。
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ステラ(プロフ) - ゆにさん» 初コメありがとうございます！楽しみにしてくださる方がいるなんて…（涙）のんびり更新ですが、頑張りますね！ (2014年7月4日 21時) (
レス) id: eda0fb1300 (このIDを非表示/違反報告)
ゆに - 面白いです（＾Ｏ＾）続きが楽しみです〜！更新頑張ってください*\(^o^)/* (2014年7月1日 21時) (レス) id: f8d1d6729c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ステラ | 作成日時：2013年11月3日 7時
