ＲＵＮ ページ38
走れ！走れ！
苦しい。でも止まれない。
すげぇ嫌な予感がする。
A、俺はあんなお前を二度と見たくないんだ！
【ＣＨＡＮＹＥＯＬ ＳＩＤＥ】
あの日は、朝から降り続いた雪が一面に積もって、世界は真っ白だった。
Aとファヨンは、清潭の交差点を渡っていて、そこで事故にあった。
俺たちが病院に駆け付けた時は、Aは放心したように床に座り込んでいて。
恐る恐る名前を呼んだ俺たちに向けられたのは、何の感情もないビー玉の様な瞳。
俺の大好きな優しくて暖かな光はどこにもなかった。
Aが歌えなくなった理由。
それはファヨンのことだろ？
今もお前は自分を責めてるんだろ？
汗だくで走り抜ける俺を道行く人がびっくりしたように見るけど、普段なら気になる
視線すら関係なく思えるほど、俺は焦ってた。
見間違いじゃなければ、Aがいつも身に着けているクロスはファヨンのだ。
アンティーク加工されているけど、特殊な形だったから覚えてる。
Aの心には今でも深い傷が残ってる。
平気そうにみせてるだけなんだ。
忘れられるはずないよな。
ファヨンはAのたった一人の妹なんだから。
でも。あの事故はAのせいなんかじゃない。
Aが自分を責める必要なんてないんだ。
目の前に大きな交差点。
俺は息を切らしながら、あたりを見渡す。
交差点の前の街路樹の影に、ベクの着てた青いＴシャツが見えた。
「A！A！ソコギ、どうしよう。Aが！」
「タオ、泣くな！ゆっくりAを座らせて！」
半泣きのタオの声が聞こえてくる。
俺は縺れる足を必死に動かして三人の前に走りこんだ。
「タオ。どけ。」
「チャニョラ！？」
ベクがびっくりした様に俺の名を呼んだけど。
タオは俺の勢いに気圧されたのか、黙って場所を開けた。
片手でAを支えて座らせると、俺は震える手でAの頬に触れる。
温かい…。
安堵したのか急に力が抜けて俺はガクリと膝をついた。
その時クラクションが鳴り、ミンソギヒョンとユファヌナが車から降りてきた。
「ベク、どうした！？何があった？」
「Aが突然倒れたんです。」
ヒョンは苦しそうな表情を浮かべたけど、振り切るようにAの前にかがみこむ。
「とりあえず、脈は正常だ。事務所の医務室に運ぼう。」
俺は、Aを抱き上げると車の後部座席に寝かせた。
腕に残るAの温もりが今はただ切なかった。
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ステラ(プロフ) - ゆにさん» 初コメありがとうございます！楽しみにしてくださる方がいるなんて…（涙）のんびり更新ですが、頑張りますね！ (2014年7月4日 21時) (
レス) id: eda0fb1300 (このIDを非表示/違反報告)
ゆに - 面白いです（＾Ｏ＾）続きが楽しみです〜！更新頑張ってください*\(^o^)/* (2014年7月1日 21時) (レス) id: f8d1d6729c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ステラ | 作成日時：2013年11月3日 7時
