視線 ページ28
「オッパ…？」
「そうだよ。呼んでみて？ ユノオッパって。」
「…ユ、ユ…ノ…オッパ。」
頼りなさげに俺を呼ぶ小さな子。
守ってあげたい。そう思った。
【ＹＵＮＨＯ ＳＩＤＥ】
Aの事は噂で聞いた。
最年少で合格した子にとてもダンスの上手な女の子がいるって。
興味を引かれてコッソリ練習室をのぞいたら。
どの子かすぐにわかった。小さな体に似合わないパワフルでいて美しい動き。
一瞬にして目が惹きつけられた。
韓国でも指折りの芸能事務所だけに、練習生同士のライバル意識は相当だけど。
Aは穏やかな性質のためか、皆と仲がよかったし、特に年上の先輩達からは
とても可愛がられていた。
でも、俺が見るAはいつも所在無げで。
いつもロビーにある椅子に腰を掛けて、入口を不安そうに見つめていた。
だから、声をかけたんだ。
Aは目を真ん丸にして俺たちを見上げた。
「可愛い！この子がユノが言ってた女の子？」
ジェジュンがAの前にしゃがみこむ。
「こんにちは。俺はジェジュン。君の名前は？」
「あ…。クォン・Aです。」
「Aちゃん！ 俺たちの事、わかる？」
ジュンスが聞くと、コクリと頷いて、小さく東方神起先輩、と呟いた。
「いつも、ここで何をしてるの？」
俺が聞くと、小さな体がピクリと震えた。
恐る恐る俺を見上げるAは、本当に儚くて。
あの日から小さなAは俺たち５人のお姫様になった。
俺とチャミナが待つ入口へ歩いてくるA。
Aが帰国したことは、ヒチョルヒョンから聞いた。
大きくなったなぁ。
記憶の中のAは小さな頃のままなのに気づいて心の中で苦笑すると、
俺はゆっくり立ち上がる。
「オッパ…。」
途方に暮れた様に俺とチャミナを交互に見るA。
俺はゆっくりと腕を広げて。
「A。」
笑って見せた。
「…オッパぁ！」
Aがクシャっと顔をゆがめると、腕の中に飛び込んでくる。
「おかえり。待ってたよ。」
「オッパ、私、オッパたちに会いたくて、あいたくて…」
「もういいよ。Aが帰ってきただけで十分だ。」
チャミナが俺とAを一緒に抱きしめる。
Aがなぜメイクアップアーティストになったのかはわからない。
それがどんな選択でも、俺たちは全力で応援するよ。
ふと、視線を感じて顔を上げた。
手を固く握りしめ、こちらを食い入る様に見つめる瞳。
チャニョル…お前…。
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ステラ(プロフ) - ゆにさん» 初コメありがとうございます！楽しみにしてくださる方がいるなんて…（涙）のんびり更新ですが、頑張りますね！ (2014年7月4日 21時) (
レス) id: eda0fb1300 (このIDを非表示/違反報告)
ゆに - 面白いです（＾Ｏ＾）続きが楽しみです〜！更新頑張ってください*\(^o^)/* (2014年7月1日 21時) (レス) id: f8d1d6729c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ステラ | 作成日時：2013年11月3日 7時
