職業：女優４

出てませんけど ページ31

『今から家行っていい？』



まーくんから連絡が来たのは、丁度家に帰り着いたタイミングだった。
今日は元々環奈ちゃんとデートの予定だったんだけど、環奈ちゃんの仕事の都合でなくなってしまった。
その為特に予定もなかったから、いいよと返事をする。



それからしばらくするとインターフォンが鳴ったので、鍵を開けたらまーくんがいた。
それと、５人の俳優さん。
観たことあるよ、帝一の國の人達だ。
とりあえず６人を部屋に入れて、まーくんの腕を掴む。



「おい、菅田将暉」


菅田「何やねん」


「聞いてないんやけど」


菅田「何が？」


「まーくん以外の人が来るなんて聞いてない」


菅田「別にええやん」


「間宮さんと野村さん、はじめましてなんやけど」


菅田「だから？」


「だからって……」



悪びれる様子もなく、まーくんはソファーにだらーんと座った。
それと入れ違いに野村さんと間宮さんが話しかけてくる。



野村「はじめまして」


「あ、はじめまして」


間宮「突然お邪魔してすみません」


「いえ、それはいいんですけど……」



はじめましてが自宅ってどういうことだ。
私的にはこのシチュエーション、なかなか面白いけど。
間宮さんと野村さんは大丈夫か？
気まずくない？
そんな私達を心配してくれたのか、それともただの偶然か。
涼真君が私にコンビニの袋を渡した。



竹内「A、これお土産ー」


「お土産？」


竹内「さすがに手ぶらはダメでしょ」


「ありがとー、ってお酒とおつまみじゃん。飲んできたんじゃないの？」


竹内「飲んできたよ」


菅田「ここで２次会！」


「は？ 何でうち？」


菅田「店から近かったし、この２人(間宮・野村)がAに会いたいって言うから」


「はぁ……」


間宮「大丈夫？ やっぱ帰ります？」


「あ、全然大丈夫ですよ。ゆっくりしてください」


野村「ありがとう！」



これが波乱の夜の幕開け。

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