職業：女優４

イケメンランキング ページ29

「やっぱり吉沢君かー」



今日は事務所で雑誌の取材。
その待ち時間にみーちゃんが急に亮ちゃんの名前を出した。
何かと尋ねると、みーちゃんが携帯の画面を見せてくれる。
そこには国宝級イケメンランキングの順位が表示されていて、第一位には吉沢亮の文字が。



「あ、亮ちゃん１位なんだ？」


「みたいだな」


「まぁイケメンだもんねー」



亮ちゃんの顔を思い出して、あの顔ならそりゃそうかと１人で納得。



「またお祝いすんの？」


「もうしない」



この前映画賞取った時に、サプライズでお祝い頑張った。
こんな短期間にそう何度も出来るわけない。



「冷たいねぇ」


「この前めっちゃ頑張ったから！ あれだけやれば充分でしょ！？」



でも何も言わないのはさすがにどうかと思ったので、LINEで一言。



『おめでとう、イケメン』



と送った。
するとしばらくして亮ちゃんから着信。



「はーい」


『A？ LINE見た』


「あぁ、うん、おめでとう」


『ありがとう』


「で？」


『え？』


「それだけ？ なら切るよ」


『え、ちょっと冷たくない？』


「そーでもないでしょ。あ、先に言っとくけど、今回はお祝いとかしないよ」


『え、そんなこと言っちゃうの？』


「イケメンランキングって半年に１回でしょ？ 亮ちゃんの場合、年２回、毎回お祝いしないと
いけないじゃん、キリない」


『それ褒めてんの？』


「褒めてる褒めてる」


『なんか褒められてる気がしないんだけど』


「気のせい、じゃーねー」



これ以上話してるとまた何か言われそうだったので、電話を切ってやった。
その後しばらくいろんな人のSNSをチェックしていると、亮ちゃんが更新していた。
何を更新したのか見ていると、雑誌記者さんが到着して取材が始まる。
１時間程で取材が終わって、携帯を確認すると亮ちゃんからLINEが届いていた。



『今日行ってもいい？』



と一言だけ。
合鍵を渡してからは



『行くから』



って送ってきてたのに。
疑問形で送ってきてることに、私の機嫌を伺っている様な気がして。
ちょっとやりすぎちゃったかなと罪悪感が生まれてくる。
せっかく１位になったのに、冷たすぎたかもしれない。
仕方ないからご飯くらい作ってやるか、と思い直して。
亮ちゃんに返信した。

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