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だがバレたら困る課長は、そんなことまで頭が回らないのだろう。
なんせ奥様は専務の一人娘ですもんね。
浮気がバレれば離婚どころか、会社にもいられなくなる。
「君が喋らなければいいだけなんだ」
「ですから、私は何も存じ上げません」
そんなに困るなら、最初から不倫なんてするなよ。
表情は一切変えずに、口には出さない心の声で悪態を吐いてみた。
これ以上無駄な時間を過ごしたくなくて
「仕事に戻りますので」
と一礼して部屋を出ていこうとすると、課長が私の腕を掴む。
「君も共犯にしてしまえばいいのか」
そう言って、課長は私を床へ押し倒した。
床が絨毯でよかった、そこまで痛くない。
なんて思いながら、この状況をどう打破しようか考えていた。
課長を押しのけるほどの力は私にはない。
大声を上げても、人通りのほとんどないこの辺りでは気付かれる可能性はゼロに近い。
だからと言って、諦めてこの人に触られるなんて冗談じゃない。
「やめてください。何も知らないと言ってるじゃないですか」
「確証はない。なら証拠を作ればいいんだよ」
携帯を取り出した課長を見て、写真か動画でも撮って脅すつもりなんだな、とすぐさま理解した。
この状況とは裏腹に、自分の頭は随分と冷静で。
さて、どうしたものか。
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リオ(プロフ) - ねのさん» ねのさん、コメントありがとうございます。吉沢Sideも公開できるように頑張ります。 (2018年10月21日 19時) (レス) id: 17091ee08c (このIDを非表示/違反報告)
ねの(プロフ) - 完結おめでとうございます!ぜひ、別side編も読んでみたいです (2018年10月21日 1時) (レス) id: 9139ef9cf8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:リオ | 作成日時:2018年10月14日 15時