76話 ページ37
貴「あれ?」
想像していた痛みはこない。おそるおそる目を開いた
ナイフはレイの腰に戻っていて、その代わりに魔女は茶色い糸の束を握っていた
いや、違う。あれは糸じゃない
真「そこまで価値のあるものもなかったし、これをいただいたわ。魔法使いの身体の1部であることに変わりは無いし、これだけで充分貴女の存在を縛ることだってできるから」
底知れない黒い笑みから目を背けて、自分の状態を確認してみた。
やはり、対価にされたのはそれだったようだ
魔「さてと……帰ったら実験かしら。魔法使いの髪の毛を手に入れるなんて久々だわ」
嫌に上機嫌な魔女を見ることもせず、私は自分の髪に手を当て……やっぱり
2つ結びにして下ろしていた髪の片方が、肩の上あたりにまで切られていた。それでいてもう片方は長いままのため、アンバランスなことこの上ない
貴「……」
魔「なぁに?自分のヘアスタイルを崩されたのがそんなに嫌だった?」
上機嫌な魔女が嘲るように聞いてくる。私は返事をしないまま、近くにいたコウのナイフを借りる
意識して見たことはなかったけれど、レイのものと比べると古くて刃が欠けている。コウナイフのが悪いのか、レイのナイフが良いのかはわからない。が、家族からどう扱われていたのかは少し理解できた気がする
私をそれを使って、もう片方の髪を切り落とした。これで少しはマシになっただろうか
魔「さっきよりはマシだと思うわね。切り方が乱雑だから後で整えた方がいいと思うけど」
と、長い髪を揺らしながら答える魔女。嫌味か
私は切り落とした髪の束を、魔女に突き出した
魔「これは一体、なんの真似?」
貴「これをあなたに差し上げます。なので、スカイちゃんの件が片付いたら教えてください」
魔「情報は高いわ。物によってはこんなものじゃ払いきれないかもしれないわよ?」
貴「それでも、お願いします」
魔「まぁ、もしもの時はちゃんとお代を請求するからいいんだけど……」
そう言って2束の髪をポケットの中に仕舞う。髪を入れることもできないような小さいものに、不思議とすっぽり収まってしまった。さすがは魔女、というところか
魔「さてと、そろそろ時間魔法も解けるわ。もう一つの依頼は終わってから聞くわね」
魔法が解けると同時に煙になった魔女は、そう言い残して消えてしまった
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栗狐(プロフ) - フォローありがとー(*´-`*)ゞございましたです(*^-^*)いまからフォローしてきます(゚∀゚*)(*゚∀゚) (2018年7月16日 13時) (レス) id: d357ac031b (このIDを非表示/違反報告)
笹乃葉(プロフ) - 栗狐さん» うわぁぁぁぁぁぁありがとうございます!!!!失礼ですがフォローさせていただきました!!!楽しみにしてます!!!!! (2018年7月16日 13時) (レス) id: f7209ee17f (このIDを非表示/違反報告)
栗狐(プロフ) - 大丈夫ですよー(´▽`)気に入っていただけてよかったです!これからもちょこちょこ投稿するのでよろしくお願いいたします(っ´▽`)っ (2018年7月16日 13時) (レス) id: d357ac031b (このIDを非表示/違反報告)
笹乃葉(プロフ) - 栗狐さん» 昨日疲れてそのまま寝てしまったので今見ました!!素晴らしすぎか……!?皆かっこよすぎですかもうありがとうございます!!!!!URLこっちに貼って大丈夫だったりしますでしょうか!? (2018年7月16日 13時) (レス) id: 00d128c491 (このIDを非表示/違反報告)
栗狐(プロフ) - そのあとも制服姿等、学パロイラストも混ぜていきたいと思います!(*^-^*)よろしくお願いいたします(゚∀゚*)(*゚∀゚) (2018年7月16日 8時) (レス) id: d357ac031b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:笹乃葉 | 作成日時:2016年3月26日 17時