52話 ページ12
ミキエルside
教会から少し離れた村はずれの一軒家
そこが、私の家だ
寂びれた木の扉をこじ開け、私は中にいた老女に声をかけた
ミ「ただいま帰りました、母さん」
母さんはベッドから上半身を起こした状態でこちらを振り向く
母「おかえり、ミキエル」
穏やかな微笑み
それはいつもの光景だが、私にとっては何よりも大切なものだった
母「教会の子供達はどう?お父さんがいなくなってから、貴方には迷惑をかけるわね。私がもっと丈夫な身体だったら……」
憂いを帯びた瞳で母はため息をついた
その表情には、父への懺悔が滲み出ている
母は身体が弱い
年齢のせいもあるのだろうが、父がいなくなってからはますます酷くなったようだ
だから私が教会以外にも働きに出て、薬代を稼いでいる事に申し訳なさを感じているのだと思う
ミ「気にしないでください。私は今のままで幸せですから」
言いながら自分で自嘲した
白々しい
私にだって叶えたい夢はある
行ってみたい場所もある
昔から冒険に強い憧れを抱いていた
幼い頃に絵本で読んだ洞窟の探検や、森林の奥深くにある神秘の湖
仲間達との宝探し
ページをめくるだけで心が躍った
幾多の苦難を乗り越えてようやく辿り着くような
その時の喜びを本で読むだけでなく、実際に体験してみたい
何度も夢に見た程に願うこと
だが……
ミ「あの時、父が命をかけて守った教会を守り続けます。それだけで私は幸せですよ」
母さんを安心させるために微笑んだ
そうだ、私には父の教会を守る義務がある
私情を挟んではいられないと
もちろん父だけでなく、母の存在も守らねばならない
父は母とこの村、そしてこの森を誰よりも愛していた
所詮、自分などが見ていい夢ではなかったのだ
気持ちを切り替え、小さな台所で母と自分の夕食作りに取りかかる
作っている最中の味見
いつも通りの行動
それなのに、今は味を感じない
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栗狐(プロフ) - フォローありがとー(*´-`*)ゞございましたです(*^-^*)いまからフォローしてきます(゚∀゚*)(*゚∀゚) (2018年7月16日 13時) (レス) id: d357ac031b (このIDを非表示/違反報告)
笹乃葉(プロフ) - 栗狐さん» うわぁぁぁぁぁぁありがとうございます!!!!失礼ですがフォローさせていただきました!!!楽しみにしてます!!!!! (2018年7月16日 13時) (レス) id: f7209ee17f (このIDを非表示/違反報告)
栗狐(プロフ) - 大丈夫ですよー(´▽`)気に入っていただけてよかったです!これからもちょこちょこ投稿するのでよろしくお願いいたします(っ´▽`)っ (2018年7月16日 13時) (レス) id: d357ac031b (このIDを非表示/違反報告)
笹乃葉(プロフ) - 栗狐さん» 昨日疲れてそのまま寝てしまったので今見ました!!素晴らしすぎか……!?皆かっこよすぎですかもうありがとうございます!!!!!URLこっちに貼って大丈夫だったりしますでしょうか!? (2018年7月16日 13時) (レス) id: 00d128c491 (このIDを非表示/違反報告)
栗狐(プロフ) - そのあとも制服姿等、学パロイラストも混ぜていきたいと思います!(*^-^*)よろしくお願いいたします(゚∀゚*)(*゚∀゚) (2018年7月16日 8時) (レス) id: d357ac031b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:笹乃葉 | 作成日時:2016年3月26日 17時