【d!】囚人の皆さん (ページ43)

今日:10 hit、昨日:22 hit、合計:57,725 hit

32話ページ43

A視点

『...っ？』

目が覚めると何も無い個室に寝かされていた

頭は痛くなく少し目眩がするだけ

『オスマン...？オスマン！！』

オスマンの名前を呼ぶが返事がない。きっとここにはいないのだろう

扉は閉まっていて鍵がかかっていた

『クソ...あの男...』

しばらくすると、鍵が開いて扉が開く

｢出ろ｣

『....っ』

警官に手錠をかけられ連行される。きっと、取り調べを行うつもりだ

俺は何しても喋らんがな

『なぁ、オスマン知らないか？』

｢知らん。俺の担当じゃないから｣

『フン...で、俺は今からどこに連れてかれるんだ？』

｢分かってる癖に...どうしてこういうことをしたんですか...A先輩｣

警官は俺を連行しながら言った

｢俺、先輩の事尊敬してたのに...｣

『...ごめんな』

そう言い着いた場所は机と椅子などちょこんと置かれた個室

よく見る刑事ドラマであるような部屋

その椅子にはあの男がいて、俺はその男と向かい合わせで座った

｢A｣

『...何』

｢今からお前にいくつか質問をする。正直に答えろ｣

｢やだ｣と言いたいが男の圧や周りの視線のせいでそういう言葉が中々出なかった

『....』

―――――――――――――――――
gr視点

t｢兄さんも手伝ってくれるらしい｣

g｢そうか。ロボロ、オスマンの位置分かるか？｣

r｢んー...ちょと待ってて...｣

h｢....｣

しばらくすると、｢見つけた｣とロボロが俺に言った

r｢オスマンは今警察署におる。突入するのは難しいかもしれへん｣

g｢Aもか？｣

r｢おん｣

g｢.....｣

俺は助けに行きたい気持ちも抑え少し待つことにした

g｢...クソ｣

――――――――――――――――――――
A視点

｢今までどこにいた？｣

『知るか...』

｢じゃあ何故脱獄犯の1人と一緒にいた？｣

『知るかよ...たまたまじゃねぇの？』

こんなに少し怖い相手にムキになることは初めてだ

こんなに緊張するんだ....面白ぇじゃん

『知ってても言わねぇけど...っ！？』

そう言いかけた途端、あの男に急に殴られた

座っていた椅子から落ちる

｢はぁ...で？ちゃんともう一度言ってくれ｣

『ったぁ...うるせぇな。その鬱陶しい声をもう少し下げてくれたら教えてやるよ』

｢このっ....｣

その後、俺は男に殴られ続けた

｢あ、あの...もう止めた方が...｣

｢あ？...はぁ｣

『....』

痛いなぁ...ははっ

俺はそのまま目を閉じた