【d!】無口軍人 [男主] 弐 (ページ5)

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49話ページ5

『(失礼します)』

ノックをし総統室に入ると、グルッペンが椅子に座り資料を見ていた

gr｢あぁ、来たか。少しいいか？｣

『(いいけど....)』

グルッペンは資料を引き出しに戻すと僕に顔を合わせ話し始めた

gr｢お前の両親が書いた手紙の内容を覚えているか？｣

『(覚えているよ)』

gr｢手紙の内容に書かれている"あの施設"....その事について昨夜、この前手に入れたルフィア帝国のデータが入ったUSBを使い情報を手に入れた。それが....これだ｣

1枚の資料を僕に渡した

資料を手に取り書かれた内容を読んでみる

『(何....これ)』

【子供を使った化学実験。この実験に成功した子供達は軍や兵に送り我が国の化学兵器として使用する】

僕は驚きを隠せなくなり口を手で押さえた

gr｢Aの首元の注射痕.....その資料に書かれている事と関係があるかもな。そして、一人一人の子供の名前が書かれたファイルがありそこにAの名前があったそうだ｣

『(ぼ、僕の名前....っ？)』

gr｢だが、ファイルを開くと中は空っぽだった。他の子供の記録はあるのにだ。他の子供の記録を残すくらい大事なものなら削除はしないはずだ。なら考えられるのは....｣

『(誰かが持ち出した....)』

gr｢あぁ、そうだ｣

でも、何故僕のだけ....

gr｢Aを施設から連れ出したのは両親。恐らく、両親が子供達の記録データを管理していてこっそりAの記録データを持ち出したのだろう。それがまだ見つかっていない｣

『(じゃあ、あの僕が住んでいた家に....隠されてるってこと？)』

gr｢恐らくそうだ。ルフィア帝国の奴らに取られる前に回収したくてな....手伝ってくれるか？｣

もう一度家に戻れるのなら.....

『(分かった。手伝うよ)』

gr｢出発は明日の朝。それまでに備えておけ｣

僕は頷き総統室を出た

『(子供を使った化学実験.....)』

ベッドの布団の中で考える

夢に出てきた白衣のあの男も関係が....

『(やっぱり記憶がない。....昔何があったのか)』

重い瞼を閉じ眠りについた