【d!】無口軍人 [男主] 弐 (ページ15)

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59話ページ15

髪の長い女性は僕を見ると突然抱きついてきた

『(えっ....？)』

？｢やっと....帰ってきてくれた。信じていたわA｣

僕はよく分からず固まったまま動けなかった

？｢....ごめんね？突然抱きついちゃって、おいで。少しお話しましょう？｣

手を引かれ着いた場所は談話室のような部屋だった

？｢座って座って？こうやってAと2人で話すのは何年ぶりかしら｣

女性は笑いながら椅子に座る

『(あの....貴方は誰ですか....？)』

？｢やっぱり声が出ないのね....でも分かるわ。貴方が言っている事。私は誰かって聞いているのでしょう？｣

僕が言っている事が....分かる？

女性は足を組み僕に目線を合わせた

？｢いいわ教えてあげる。私はルフィア帝国の女王....イグ・メイニアよ｣

『(イグ....メイニア....って、あのα国の国王が言っていた....)』

？｢そう。そして、貴方は私の1人の息子......A・メイニア｣

僕が.....ルフィア帝国の女王の子....っ？

他の国の少女を誘拐し、仲間を傷だらけにし.....そんな国の女王の子だなんて.....っ

ig｢昔の記憶を消したから記憶が無いのも当たり前よね｣

イグはスっと立ち上がると、部屋にある棚を漁り始めた

ig｢あの裏切り者の2人.....あの2人は貴方の本当の親じゃないわ。やっと居場所を突き止めたと思えば貴方は居ないし敵国である我々国に連れていかれただなんて....でも、そんな我々国の総統であるグルッペン･フューラーがAを連れてきてくれた。後でたんまりとお礼をしないとね｣

『(グルッペン.....グルッペンはどこ！？)』

僕は慌てて立ち上がると、イグは近くにいた軍兵に合図を送った

すると、軍兵は僕にタブレット端末を渡した

画面に映っていたのは、ボロボロになったグルッペンだった

『(酷い.....何でこんな事をするんだよ！！)』

最低....最低だ

ig｢敵国の総統様が私の国に来てくださったのよ？これはおもてなしよ｣

『(.....最低だ)』

タブレットを床に投げつけイグを睨んだ

『(僕の親がお前だなんて最低だ！！)』

ig｢..........はぁ、いい母親を演じたつもりなんだけど。貴方がそんな態度ならいいわ｣

先程まで笑顔だったイグの表情が段々と変わりだす