AVATAR / アバター

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＿＿君が見える


＿＿＿あなたが見える




まただ


またこの夢だ。



いつからか見始めた夢＿


初めて見るはずなのに見慣れた景色＿＿


楽しそうに笑う人々＿＿



けれどそこに私はいない。


一見とても幸せそうな夢に見えるが


まるでお前は一人だと言わんばかりに見せつけられているようにも見える。



『また嫌な夢見ちゃったな。』



月に一度ほど見るこの夢は一体なんなのだろう


夢を見る度に考えるが結局答えは出ない。


家族には心配をかけたくなかった為、誰にも話した事はなかった。


そんなことを考えながら、私は妹のツィレヤに声をかけた。



『ツィレヤ』


「お姉様、起きたのね。」


『えぇ、相変わらずツィレヤは起きるのが早いね』


なんてたわいもない話をしながらクルルを呼ぶ。


クルルというのは私によく懐いているとても可愛らしい小さな女の子のことだ。


クルルはどうやら泳ぐのが不得意らしい


泳げはするのだがあまり上手ではないのだと言う



ここは海の部族＿＿


上手くならなければ苦労するのは目に見えている


皆にバカにされたくないからと、

泳ぐのが村で一番上手い私に教えて欲しいと頼み込んで来たのだそうだ。



『(可愛い妹の頼みには精一杯答えないとね。)』


『クルル、まずは繋がりを意識してみようか』


「繋がり？」


『そう、繋がり。私達は今ここに一つの命として
存在していて、沢山の生命と繋がって生きている

もちろん海も例外じゃない。』


「海と繋がってるの？」


『目には見えないけれど、心では繋がってるわ。

クルルは多分、海に対して壁を作ってたり、無意識の内に怖がっちゃってるんだと思うの

だからこそ、私が今言ったように心の繋がりを意識してみて。』


「…わかった！繋がり、意識してみる！」


その後もクルルは何度か私からのアドバイスを受けながら、日が暮れるまで練習を続けた。

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