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「どれどれ？」
「隅って……」
「もしかして、控えめに見ても他の人魚の2倍ぐらい横幅がありそうなこのタコ足の子ども……」
みんな、若干オブラートに包みながら、感想を口々に言っていく。
「アズール、オメー昔こんなに丸々と太ってたのか！」
グリムくんの最後の一言に、アズールさんは、悲痛の声を上げた。
「ああぁあああぁあああぁ……ッ！！！」
「そ、その気持ち、僕にはよくわかるぞ。誰にだって、消したい過去はある！僕は何も見なかった！みんなも忘れてやれ！」
デュースくんがそう言ったが、アズールさんに共感できるほどの消したい過去って？
「お前、やたら真に迫ってるな」
…やっぱり…ジャックくんも突っ込んでるし…
「くそぉ……“モストロ・ラウンジ“の店舗拡大と、黒歴史抹消を同時に叶える……完璧な計画だと思ったのに〜〜っ！」
アズールさんのそんな悔しそうな姿を見れるのはなかなかないな…
「二兎追うものは一兎も得ずってやつッスね」
「同級生の卒業アルバムから、写真屋のフィルムまで……昔の写真は全て取引で巻き上げ、抹消したんですが……博物館に飾られたこの1枚だけが、どうしても合法的に処理できずにいたんです……」
同級生の、卒アルも抹消済みなのは…流石すぎる…
「だからって、他人の手を汚させようとするんじゃねーんだゾ！」
「別にいーじゃん。オレ、この頃のアズール好きだけどな。今より食べでがありそうだし」
「そういう問題ではないんですよ！」
「頑張ったんですね」
アズールさんは、終始顔を覆っていた…
「……ううっ、もういやだ。今すぐタコ壺に引きこもりたい」
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作者名：ぼろ | 作成日時：2022年4月9日 4時
