恋の関9【ツイステ】 (ページ38)

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「おや、ジャミルさん！こんにちは。ご機嫌いかがです？」

「アズール・アーシェングロット……！それに、リーチ兄弟…………A…？」

オンボロ寮の2人の後ろにいた私だったが、見つかってしまったようだ…

『ジャミル…戻ってきました…』

「あぁ、それはわかっている…どうしたんだ？」

心配そうに、私の顔を覗き込んだ…

「泣いている…」

ジャミルは私の目元の雫を優しく拭った。

『え？』

少し濡れた、ジャミルの指先を見て、私は自分の目元を触った…

『あぁ、少し、目にゴミが……涙で、もう取れました！』

「……なら良いが…」

…危ない…まさか、ジャミルの顔を見ただけで、勝手に涙が出てきてしまうなんて…

「ゴホン……ところで、カリムさんはどこにいらっしゃいますか？魔法の絨毯をお届けにあがったのですが……」

「えっ、あ、ああ。届け物なら俺が預かろう」

アズールさんの一言で、ジャミルはハッとしたのか、少し、フードを引っ張った。

「いえ！結構、この魔法の絨毯は国宝級の逸品です。後々傷などが発見されて「オクタヴィネルの奴らのせいだ」などとクレームをつけられては困りますから…直接カリムさんにお渡しして、しっかりと検品して頂きたい」

「カリムはそんなこと気にしないはずだ。だから俺が預かって…」

「ご安心ください。落とし物の20％にあたる報労金を要求したりしませんから」

…そこまで、図々しくするつもりだったのか…

少し呆れながら、オクタヴィネルとジャミルの会話を聞いていた。