398 ページ20
「まあ、知っての通り、夕焼けの草原の男どもは、優しいから…いつも通りやってくれれば問題ない」
頼んだぞ？
そう言ったレオナ様は、私の頭をぐしゃぐしゃと撫でた。
王宮の一番奥…
現国王…ファレナ様がいる宮殿に向かった…
相変わらず、レオナ様はエスコートしてくれるし…
少し小っ恥ずかしい気持ちになりながら、レオナ様の隣を歩いた…
「おお、レオナ！帰ってきたか」
「オレのことはほっといてくれよな…」
「そうはいかないさ…お前は第二王子なんだぞ？」
チッと舌打ちをして、ファレナ様から顔を逸らした。
「ようこそ、夕焼けの草原へ」
『初めまして、ファレナ様…私、Aと申します』
そう言って、挨拶をすると、ファレナ様はニコリと笑った。
「レオナが世話になっているみたいだね？」
『いえ、レオナ様には、とても良くしていただいています』
「オレには、コイツがいるんでね…お見合いは勘弁してくれよ…」
そういうと、レオナ様は私をぐっと引き寄せた。
『っ…レオナ様…』
「もっと恋人らしくしてくれねえと…兄貴に疑われちまうんだが？」
耳元で囁かれ、顔に熱が集まるのが分かった。
「Aさんと、レオナはどこで出会ったんだ？」
『私が、ナイトレイブンカレッジのハロウィンに行った時、人混みに酔っていたところを、たまたま通りかかったレオナ様が助けてくださったんです…』
そう言うと、一瞬、レオナ様は驚いた様子で見ていたが、すぐに満足げに笑った。
『私の、一目惚れでした…そこからは、猛アタックして…』
「Aの熱烈なアタックに、オレが折れたんだ」
レオナ様の方を見ると、フッとこちらを見て、笑ったから、私もつられて微笑んだ。
「仲が良さそうで良かったよ。Aさん、レオナをよろしくな」
『…こちらこそ、よろしくお願いします』
…なんとか恋人っぽい雰囲気を出せたのでは？
ファレナ様も嬉しそうにしているし…
「じゃあ、兄貴、オレたちは部屋に戻るぜ？」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 424人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ぼろ | 作成日時：2022年4月9日 4時
