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教室に入ると、すぐに抱きしめられた。




『ジャミル…様っ!』




「何で、Aは…俺の前からすぐにいなくなるんだ?」




耳元で、小さくジャミル様がそう呟いた。




『え?』




「こんなに、大切に思っていても…Aは、俺の手からすり抜けていってしまう…」




ジャミル様の腕の力が少し緩んで、目があった。




「Aにとって、俺なんて、その程度の人間なのか?」




悲しそうな…悔しそうなジャミル様の顔…




初めて見た…




私も、初めは…ジャミル様へのこの想い伝えたかった…




でも…




この気持ちを伝えるということは、家族を裏切ること…




私がこの気持ちを伝えると言うことは…




ジャミル様の周りからの評価を下げてしまうということ…




従者と恋に落ちるなんて、聞いたことがない…




そんな事を考えていると…




「すまない…A…」




『え?』




ジャミル様のことを見つめると、ジャミル様の目が赤く光った。






蛇のいざない(スネーク・ウィスパー)…」

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作者名:ぼろ | 作成日時:2020年11月19日 17時

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