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奥の私の特等席は今日も空席で、マスターはいつも通りアイスコーヒーと灰皿を置いてくれた。
本を読む気にもなれなくて、イヤホンをつけて窓の外を眺めた。
ちゃんと、倫也さんと話さなきゃいけない。
喉にと流し込んだアイスコーヒーが、私を落ち着かせる手助けをしてくれた気がした。
1度深呼吸をしてから、少し震える手で電話をかけた。
『…Aちゃん？』
何度目かのコール音の後、優しい声が聞こえた。
それだけで、目の奥がじんわり熱くなる。
「あの、昨日……」
言いかけて言葉に詰まる。
重い沈黙を破ってくれたのは倫也さんだった。
『…ごめん、俺、慌てていっぱい連絡しちゃって。』
「…いえ、私も。疲れて寝ちゃってて…」
嘘をついた。
『今から…時間ある？』
「…はい。」
今日1日オフだという倫也さんは、私がいつもの喫茶店にいることを告げると、15分ほどで現れた。
「…Aちゃん」
「倫也、さん…」
息を切らして薄っすらと額に汗を浮かべた倫也さんに、マスターは私と同じようにアイスコーヒーを出してカウンターに戻っていった。
私はなんだか居心地が悪くて、氷が溶けて薄くなってしまったアイスコーヒーを見つめた。
倫也さんは息を整えて、出されたアイスコーヒーをぐっと流し込んでから私に向き直った。
カラン、とグラスの氷の音だけが嫌に大きく聞こえた気がした。
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高木(プロフ) - emiさん» 素敵なお言葉をありがとうございます。まだまだ書きたい話があるので、まだまだお話は続くと思います。話数の割に展開が緩やかですが、気長に見守っていただけると幸いです。今後とも宜しくお願い致します！ (2020年6月2日 6時) (
レス) id: 34107c5216 (このIDを非表示/違反報告)
emi(プロフ) - すごく良かったです。一気に読んでしまいました。水族館の帰りの告白からのところ、好きでした。あと、喫茶店で、主人公の本音が溢れてしまうところ泣けました。どんどん読み進めてしまって、もったいないことしたかも。。。って少し後悔。でも、我慢できなかった〜。 (2020年6月2日 4時) (レス) id: ce60033505 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：高木 | 作成日時：2020年5月31日 9時
