【２】食用人類、拾いまして【浦.島.坂田.船】

７３ ページ23

『……家に帰りたい』


う「ここが家だけど」



ドアがノックされ、うらたとそんな会話をしたとたんにドアが開いてピースが部屋の中に入ってきた。…はぁ。



ピ「…よぉ」


『……どーも』



久しぶりに見た彼は、恐ろしく笑って私の目の前の椅子に座った。
……なんか嫌な感じ。



『……だ、何の用？何でここに来たわけ？いや、それよりなんでここがわかったわけ？』


さ「……」


ピ「ふっ。そんなに怒るなよ」



怒ってなんかないし、ただ私は気になってるだけですぅ！
……ってか、本当にピースただ一人で来たのか？勝手に私がそう思ってるだけじゃなくて？



『……』


ピ「で？用事と言ったか、まぁそんなのどうでもいいだろ」


『…はぁ？』


ピ「……本当に知りたいのは最後の質問の“なんでここがわかったのか”だろ」


『理由も知りたいに決まってるでしょ？あんた馬鹿なの？いや、質問は失礼か、あんたは馬鹿だわ』


ピ「…うるさいやつだな、さっきから」


『あんたの方がうるさいよ』



ピースとお互いに睨みあいながらそんな話をすれば、かちゃっと目の前に紅茶の入ったティーカップが置かれた。…まふ、タイミングよ。



『ありがと』


ま「いえいえ」


ピ「……」


『気になってるね』



ピースは机に肘をつき、じっとまふの方を見ていた。…気になるのは分かるけど、さすがに見すぎでしょ。



ピ「彼は？」


『言わない』


ピ「まさか彼も“食用人類”か」


『…さぁ？』

７４→←７２

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す