ミスターハロー2【川村壱馬】

声と距離感 ページ4

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Aside




決めたはいいけど⋯告白って、どうすればいいの？



何をしていいか分からなくて、とりあえず自分が持ってるメイク道具かき集めて、メイクの練習をすることにした。



やっぱり肌はツヤが大事なのかな、それともお人形さんみたいな肌かな
アイシャドウはブラウンベースにちょっとピンクがかった可愛らしい感じ？
清楚な感じがいいから、リップは濃すぎないのにしよ



メイクをしながら、頭では服のことも考える
髪色明るくしてから、服考えるのも大変になってしまった
派手すぎると喧嘩したり、かといってシンプルなワンピースとかにしたら、狙い過ぎかな？とか⋯



あれ、告白前って考えること多いぞ？
やっぱり後悔してる、でもこれは想定内



勝負の日のメイクってタイトルの動画漁ってみたりして、応急的にメイク知識と技術をかき集めて
今までで1番ってくらい自分の顔と向き合って





『うわ、いいかも⋯』





鏡に映る自分、自画自賛。
こんなに意識してメイクしたことなかったけど、
いつもの自分よりかは、可愛く見える気がする
やればできるじゃん！わたし！



ちょうど満足した頃、玄関が開く音がして、遠くからただいまが聞こえた。





『おかえり』

壱馬「ただいまぁ、」





扉を開けたかずくん、いつもと違った。
もしかして、酔ってる⋯？
見た目はいつも通りだから、聞いてた通り強いのかなって思いながら、
だけど、声の芯がちょっと柔らかくなった感じがする





『お酒飲んだ？』

壱馬「ちょっと」

『嘘だ』

壱馬「嘘じゃない」





とか言ってるけど、絶対嘘つきだ
いつもと違う声と距離感、それがその証拠



私の後ろに回り込んで、ソファに座ったと思えば
顔の横から両腕が伸びてきて、私の肩にかずくんの小さい頭が乗っかる





壱馬「何してんの」

『⋯重いよ』

壱馬「何してんのって、」

『メイク？』

壱馬「ふーん。こんな夜中に？」

『練習だよ、うまくできたの』

壱馬「見せて」





顔を見せるために振り返ると、かずくんの綺麗な顔がめちゃくちゃ近くにあって
⋯酔ってるなあ



キラキラしてるってそれだけ言って、
立ち上がってキッチンの方に行った。





壱馬「A、お腹すいてない？」

『すいてない』





見せてって言ったから見せたのに
反応薄いし、すぐ話変えるし、絶対興味ないじゃん



酔ってないなんて分かりきった嘘つかないで
可愛いねとか、そういう嬉しい嘘をついてくれたらいいのに

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