6年前 ページ26
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壱馬side
今から、6年前。
高2だった俺はそのときちょうどテスト期間で、家で1人で勉強してた
だから、その時に鳴った家の固定電話に出ることができるのは自分しかいなかったんだ。
「壱馬くん？あ、おばさんだけど、Aそっち行ってないー？」
壱馬「いや、来てないっすけど…」
「ああ、そう！んー、じゃあどっか友だちとでも出かけてるのかもね」
壱馬「行きそうなところ探してきますよ」
「いやいや、それは悪いから大丈夫だよ」
壱馬「…ちょうど、気分転換したかったんで。散歩がてらで」
勉強も煮詰まってて、何となく外の空気を吸いたかったのもあって
上着羽織って、公園の方向に向かった。
中学1年だったA。
大阪に引っ越してきてから友だちをたくさん作ったAは、俺よりもその友だちと遊ぶことがだんだん増えていって
この時も、その友だちとどっかで遊んでんだろうと決めきっていたけど
目的地の公園に着いた時、
壱馬「A…？」
『…かずくん、』
Aは一人で泣いていた。
壱馬「お前、どうしたんだよ」
『ううん、』
壱馬「なんで泣いてんの」
『…』
黙りこむAに俺がすることはひとつ
その小さな手を、優しくゆっくり握った
黙り込んで鼻をすすって、小さく口を開いて
それを少しずつ繰り返して
10分後、ようやく俺は理解できた。
変質者の人に連れ去られて、暗いところに閉じ込められて
特に何もされなかったのが、不幸中の幸いで
ただ、この時のAの心の傷は計り知れないほど深かった。
壱馬「おばさんたちに言お」
『いい、』
壱馬「いや、ダメやろ言わな」
『何もされてないから』
壱馬「だめ、マジで危ない。また同じことが起こったらどうすんねん」
『…近くにいた人が助けてくれて警察の人に言ってくれて、捕まえてくれたし』
壱馬「…でも」
『お願い、かずくん』
涙が止まり始めて、Aは強い口調でそう言った。
『…なるべく、心配かけたくないから』
壱馬「…いいの、それで」
『うん』
壱馬「Aはいいの？」
『私は大丈夫。かずくんが聞いてくれただけで、スッキリした』
Aは変なところだけ、大人びてたんだ。
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はるの(プロフ) - natywqさん» コメントありがとうございます！中々更新できておらず申し訳ありません、、移行まで今しばらくお待ちくださいm(_ _)m (2021年7月27日 23時) (
レス) id: ca6b263938 (このIDを非表示/違反報告)
natywq(プロフ) - いつも楽しく読ませてもらってます！続きが楽しみです！ (2021年7月26日 4時) (レス) id: 7289fb275c (このIDを非表示/違反報告)
はるの(プロフ) - riiさん» いつもありがとうございます！メッセージの方にきていただけますでしょうか？汗 (2021年3月31日 16時) (レス) id: ca6b263938 (このIDを非表示/違反報告)
rii(プロフ) - いつも楽しく読ませていただいてます(^^)BLUEのパスワードを教えて頂く事は可能ですか？ (2021年3月30日 10時) (レス) id: 22c06d6a15 (このIDを非表示/違反報告)
はるの(プロフ) - 蘭さん» コメントありがとうございます！本当に励みになります( ; _ ; )亀更新で申し訳ありませんが…今後も2人の関係の変化に注目していただければと思います！ (2021年3月30日 0時) (レス) id: ab8c3264a4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：はるの | 作成日時：2021年2月15日 23時
