夢見る隙間（壱×北） (ページ40)

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試験終了
やっと試験が終わったっていうのに、終わってすぐバイト先に足を運んだ私。

昨日頑張って勉強したから眠たいし、今日くらいバイトなしにすればよかったな
でも、しばらく出てなかったのも申し訳なかったし

バイト着に着替えながら、大きなあくびが出る。

…やる気、出ないな

『お願いしまーす』

「今日は準備してあるから」

『はーい』

試験が夕方まであって、いつもより遅く出勤したこともあり、
準備も全部終わっていた。

『店長、暇そうですね』

「うん、暇だよ」

『…もし、苦手だなと思う人に会おうとか誘われたらどうします？』

こないだの合コンの席にいた拓也さんのことを、しれっと店長に相談してみる。

「断り続けるかな」

『…ですよね』

断ってはいるんだけど…
なんなら、彼氏いるって嘘もついちゃったんだけど…
一向に減らない連絡、お誘い

「いずれなくなるでしょ」

『だといいんですけど、』

悩んでも…しかたないよね
確かに、断り続けてたら飽きれて連絡なくなるかもしれない
無理やり前向きに考えて、
それを忘れるかのように仕事に没頭した

バイトが終わったのは22時半

今日早かったな、ラッキーだ
そう思いながらバイト着を脱いで、何気なくスマホを見ると

吉野北人不在着信 12件

北人くんだ

不在着信…12件！？

えっ、どうしたんだろう
そう思ってかけ直そうとした時

“吉野北人”の文字でディスプレイが埋め尽くされる。

…かかってきた

『はい、もしもし…？』

「あ！Aちゃん？」

『はい…え、』

あれ？
…これ、北人くんの声じゃない。

「急にごめんな、壱馬だけど」