ターゲット ページ29
北人side
「次、龍さんと昂秀さんお願いしまーす」
今日は午後から撮影。
２人ずつ呼ばれるんだけど、俺は今翔吾とちょうど撮り終わったところ
結局、あの日は朝方にAが慌ててごめんなさいを連呼して家を出てった
起きたらベッドにいたことに驚いたのか、相当の焦りようで
もちろん、俺はソファで寝たけど
翔吾「なんそれ？」
北人「うえ？」
翔吾「めっちゃ、変な声」
俺が手に持っていたのは、こないだAが当てた遊園地のチケット
結局俺がもらうことになったけど、
でも、これを当てたのはAだしな
北人「遊園地のチケット」
翔吾「へぇ〜誰かと行くん？」
北人「…いや、決まってないけど…一緒に行く？」
翔吾「え、俺？いいの？」
もらったはいいけど、どうしたらいいのか
行かないのももったいないし、
でも俺が勝手に楽しむのもAに申し訳ない気がするし
北人「…ん〜」
翔吾「なんか、訳ありだね。その感じ」
俺がなんでこのチケットを持っているのか
それでなんで困っているのか
Aっていう女の子の存在も含めて、
大体の大まかな流れを説明した。
翔吾「それはもう一緒に行くしかないでしょ！」
北人「え、誰と？」
翔吾「Aちゃんと、北ちゃんと、俺と、」
北人「と？」
翔吾「とー」
辺りを見渡す翔吾。
すると、ターゲットを見つけて、“あ！” と目を見開く。
翔吾「いいところに、遊園地好きの壱馬くん！」
壱馬「…ん？」
翔吾「いこ！これ」
今撮影が終わったのか、ちょうど前を通りかかった壱馬に、翔吾は声をかけた。
そこから、翔吾が一通り説明をして
壱馬は予定確認するって言って、スマホ見てる。
Aと面識あるし、
確かに、全く知らない人よりいっか
翔吾は面識ないけど翔吾だから大丈夫
お、偶然にも同い年メンツじゃん
なんて、どうでもいいことを呑気に考えてた。
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作者名：はるの | 作成日時：2020年10月16日 11時
