女の子扱い ページ24
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「今、北人の家で飲んでて、追加のお酒買ってました」
『あぁ…なるほど』
じゃあ、この両手いっぱいに抱えてるのはお酒だ
北人くん家で飲み会ってことはメンバーさんが沢山いるのかな
『よく、北人くんの家に集まるんですか?』
「まあ…集まる、かな?」
『いいですね』
「…北人くんって呼んでるんや」
イケボさんが、ボソッとそう呟いた。
メンバーさんからしたら、気分悪いかな
馴れ馴れしいからやめていいですかって何回も交渉したけど、そしたら北人くん機嫌悪くなって…
「でも、多分あれですよね。北人のお願い、?」
『え、なんで…』
「…何となく」
北人くんのこと、何でもお見通しなのかな
やっぱり仲良しだ
「あ、俺のことも好きなように呼んでください」
『あ、えっと…』
「川村壱馬って言います」
『じゃあ…』
ここで名字にすると…どうなる?
距離つくられた!ってなる?
いや、でも今北人くんの話もあったし、馴れ馴れしいって思われるかもな…
…あ〜、こんなことなら北人くんみたいに指定してくれた方が良かったな
「壱馬で、大丈夫です」
『えっ』
「明らかに困ってたから」
一生懸命考えてたら、なぜかイケボさんに笑われた。
…壱馬さん、か。…壱馬くんの方がいい?
壱馬「あっ、」
また自分の世界に入りかけていた時、
一瞬の間で壱馬くんと私の立ち位置がさっきと逆になり、
大きいトラックが遠くなっていく
壱馬「考え事してると、危ない」
『、ごめんなさい』
壱馬「てか、普通に最初から俺がこっち歩くべきでした」
“完全に俺が悪いな、これ”って、
そんな風にサラッと女の子扱いしてくれる壱馬くんに、ものすごくドキドキしてしまった。
壱馬「ていうか、女の子が夜道の散歩するってのもあんまり…」
やだやだ、もうこれ以上女の子扱いしないでください
そういうの慣れてないから、すぐにドキドキしてしまうし、
もう顔見れないよ。
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作者名:はるの | 作成日時:2020年10月16日 11時