夢見る隙間（壱×北） (ページ21)

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おバカちゃんページ21

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北人side

あれから、少しずつAと遊ぶようになった。

遊ぶっていっても外に出かけるわけじゃなくて、
こんな風に家でダラダラしたり、ご飯食べたりするだけ

流石に女の子の家に上がるのはな…と、いつも俺の家だけど
段々と緊張感なく過ごしてくれるようになっているのが分かって、
見ていて楽しい。

北人「A、何してんの？」

最近は約束通り、名前を呼び捨てして呼んでいる。
Aも、頑張って俺の事を北人くんって呼ぶけど、
まだ抵抗あるのか、言う度に照れたような顔をして

それが、すごく可愛いんだ。

『あ…これ』

北人「あ〜、CDね」

Aが興味を示していたのは、俺が棚に並べていたRAMPAGEのCDたち。

『そういえば、聞いたことないかも…』

北人「あ、ほんと？」

俺と接点を持ってから、スマホとかで聞いてたりするんじゃないかなーとか
てっきりそんな風に思っていた

その並んだCDをじーっと見つめてから、
視線を上げ、俺の顔を見てくるA。

北人「…聞く？」

『…いいんですか』

北人「いいに決まってるじゃん」

完全に聞かせてっていう顔してたよ。

どれがいいかな、全部貸してもいいけど荷物だよなあ
余ってたら、あげたんだけど
今この家に余ってるのないしなあ

んー…

『これは…なんて読むんですか？』

北人「ラフィエスタ」

『へ〜。あ、そのままだった』

北人「おバカちゃんだ」

『バカとか傷つきますよ…』

こんなことも言い合える仲になった。

Aが手に取った俺らのファーストアルバム。
まあ、それでいいか

それをかけて、最初から聞かせると

『すごい！かっこいい！』
『これ、北人くんの声ですか？』
『いい歌詞…』

俺のことはほとんど放置で、聞こえる音楽と歌詞カードに夢中になっている。

その姿を見て、俺はまたこの子のことを可愛いなと思ってしまった。