◯ ページ6
河井 サイド
飲み会もお開きになった頃、Aを見ると眠そうな顔で、先輩のことを見送っていた
今日も一人では帰られへんやろうな、と声をかける
「もうお前どうすんねん、一人じゃ帰られへんやろ」
全部、想定内だ
飲み会の後、帰れなくなって家に泊まっていく機会が増えてから、部屋に、A用のスウェット、歯ブラシ、毛布などが部屋の隅を占領するようになった
まだタクシー来てない盛山、友保と話し込んでいる
「明日も午前中から劇場やろ、もうダル絡みしてんとはよ帰るで」
そう言って、連れて帰ろうとすると
九条が、俺が送っていけるんでゆずるさんは大丈夫っすよ、と声をかけてきた
「いや大丈夫やで、こいつの世話係やからさ」
「僕明日オフやし、ゆずるさん逆方向やろうし」
段々断る理由がなく、言い訳ができなくなってきた
『ゆず兄〜はよ帰りましょう』
やや小競り合いになっている原因であるAが、呑気に俺の名前を呼ぶ
内心嬉しさを感じつつも、冷静に「じゃあ、九条ごめんな、また劇場でな」と挨拶してタクシーに乗る
『あ、ちょっと待ってください』
そう言って、盛山のところに駆け寄る
小柄なAが、背伸びして盛山の耳元で何か言う
盛山も屈んで、楽しそうに相槌打っては、また何か言い合っている
なんやねんあれ、と柄でもなく、しおれた声で一人でツッコミを入れる
「ほんまに気い狂うわ、」
『待たせちゃってすみません』
「盛山と何話してたん、えらい楽しそうやったけど」
『別に大したことじゃないですよ』
「大したことないんなら教えてや」
『いやです、ゆず兄には秘密です』
「なんやねん、てかお前酔ってへんのなら自分ち帰りや」
『私このまま帰ったら家着く前に途中で寝てまいますよ』
「女なんやから身体は大事にしいや」
『芸人としては満点のエピソードになりそうですけどね』
「まあええわ、着いたら起こすから寝とき」
そう言うと、すぐに肩に重みが乗ってきて、規則正しい寝息が聞こえてきた
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 483人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「芸人」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
Shelly - はじめまして！辻さん最高でした……また辻さん見たいです！先輩夢主と後輩辻さんでお願いしたいです！ゆっくりで大丈夫です！頑張ってください！ (2021年6月18日 4時) (
レス) id: 8e25f7d156 (このIDを非表示/違反報告)
うさみん - 青空さん大好きなのでお話嬉しいです！ (2021年3月21日 20時) (レス) id: 30c0a1677c (このIDを非表示/違反報告)
りな(プロフ) - リクエストお願いします！ロングコートダディの堂前さんとゆる〜くイチャイチャするお話が読みたいです！(＞＜) (2021年3月15日 9時) (レス) id: 04af946993 (このIDを非表示/違反報告)
菫(プロフ) - ちぃまりさん» コメントありがとうございます、了解です！少々お待ちください。 (2021年3月10日 2時) (レス) id: cb049397fd (このIDを非表示/違反報告)
菫(プロフ) - Mapleさん» コメントありがとうございます。そう言っていただけて嬉しいです！了解しました、少々お待ちください (2021年3月10日 2時) (レス) id: cb049397fd (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：スミレ | 作成日時：2021年2月28日 3時
