参 ページ5
「へぇ〜。おっちゃん、タイの魚人アルか。」
「あぁ。…気持ち悪いか?」
「全然!むしろすごいネ。高級魚だし縁起物アル。めでたいネ!」
すっかり敵意をなくしたタイガーに取り敢えず応急処置と言って偶々流れ着いていた救急セットで消毒と包帯を巻いたアデリアは、今海岸に並んで座って話をしていた。
他の島に殆ど言った事が無いアデリアにとって冒険家であるタイガーの話は面白く、目を輝かせながら聞いていた。
タイガーも魚人を気持ち悪がらず、寧ろ“タイ”と聞いて凄いだの縁起が良いだのはしゃぎ、自分の冒険譚を純粋な眼差しで楽しそうに聞くアデリアとの時間を魚人島で弟分たちと過ごしていた時の様に楽しんでいた。
「で、おっちゃんは…」
「いや、おっちゃんはやめてくれ。」
まだそんな歳ではないと思いたいタイガーが訂正を求めると、う〜んと少し悩んだアデリアは
「じゃあタイちゃんで。」
と満面の笑みで言う。
「タ、タイちゃん…まぁいいか。それで、なんだ?」
「うん?これから故郷に帰るつもりだよねと思って。」
のんびりと雑談をしていたが確かにアデリアの言う通り、自分は魚人島に帰るつもりだった。
それを思い出したタイガーはそうだと答えるとアデリアはニコッと笑みを浮かべると
「じゃあ、私が連れてってあげるヨ。」
勿論途中までだけどと言う彼女に思わず疑問の声をあげる。
何故さっき会ったばかりの自分にそこまでするのか、また、ここからどうやって自分を連れ出すつもりなのか。
そう問うと不思議そうな顔で
「だって、私とタイちゃんは友達でしょ?友達が困ってたら助けてあげなさいって母ちゃんと父ちゃんが言ってたヨ。」
と当然の様に言うが、その言葉に愕然とするタイガー。
会ったばかりの然も魚人を友と呼ぶ人間がいるとは思っていなかった彼だが、この変わった小さな友に自分の命運を預けるのも良いかもしれないと久方ぶりの笑みを浮かべながら彼女の頭をクシャクシャと撫でる。
アデリアも子供扱いするなと言いながら満更でもなさそうな笑みを浮かべ撫でられていた。
「じゃあ、探しに来るといけないから一回帰るネ。また夜中に来るから隠れててヨ。」
「あぁ、分かった。…そう言えば疑問に思ったんだが、随分戦い慣れていた様だがどこで剣を習った?」
その瞬間凍り付いた様な表情を浮かべたアデリアだったが、すぐ笑顔に戻るとあとで話すよと言い帰っていった。
その表情に疑問を覚えながら、タイガーは夜中まで待つことにした。
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小狐(プロフ) - 夜兎って名字ないんじゃないんですか? (2020年9月19日 1時) (レス) id: 21c3761e82 (このIDを非表示/違反報告)
小狐(プロフ) - 夜兎って 朱色の髪に青の目じゃないんですか? (2020年9月18日 21時) (レス) id: 21c3761e82 (このIDを非表示/違反報告)
獅音(プロフ) - 急に終わっちゃったのでビックリしましたが作者さんの都合もあると思うので出来るだけ更新頑張ってください (2019年5月3日 6時) (レス) id: 1ee8009000 (このIDを非表示/違反報告)
紅蘭(プロフ) - 更新楽しみに待ってます(´^ω^`) (2018年2月6日 16時) (レス) id: c067e04ee5 (このIDを非表示/違反報告)
師走@体調不良の為、更新が停滞しております(プロフ) - 夢幻さん» 夢幻様 返信が遅れてしまい、、申し訳けございません。私生活の方が少々ドタバタしておりまして、中々書けない日々が続いております。一応頂上決戦までの大まかな流れは考えてあるので頑張って更新しますので、お待ち下さい。 (2017年4月27日 15時) (レス) id: 3dbe1cf590 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:師走@ボードに作品の進捗状況が書いてあります | 作成日時:2016年4月25日 5時