弐 ページ4
全員を巻いたアデリアは、マリージョアの端で人が来ない海岸まで来ていた。
ここにはよく航海日誌や宝石等といった沈められた海賊船等の物が打ち上げられる為、殆どこの島から出られないアデリアにとって唯一外の世界の情報を知る手段である。
今日も船の残骸をどかしながら何かないか探していると一際大きな残骸の影から此方を窺ってくる気配を感じた。
敵意の混じったその気配に落ちていた手頃な木の棒を構え、若干の殺気を込めながら
「そこに居るのは誰アル?大人しく出てくるヨロシ。」
そう問いかけて暫くすると相手は諦めたのかのっそりと影から出てくる。
アデリアの何倍もある巨大な赤い体躯……敵意を込めた瞳でアデリアを見る人物は魚人フィッシャー・タイガーだった。
「…お前は、天竜人か?人間の子供…」
命からがら逃げだしボロボロだった彼は、目の前の天竜人らしからぬ雰囲気を持つ子供アデリアを見て問う。
勿論怪我も無く真新しい服を着ていれば、この島では天竜人以外いない考えられないが、自分で戦うことを知らない天竜人ではありえない程、戦い慣れた様子のアデリアに疑問を持った。
こんな年端も行かない子供が、魚人街で戦い慣れた自分よりも隙が無い獣と対峙している様に感じさせられるものなのかと。
問われたアデリアは、傷だらけで今にも倒れそうな人物に殺気を出しても仕方がないと思い、木の棒を下ろし、殺気を引っ込める。
「一応天竜人だけど…おっちゃん、誰アルか?てか、すごい怪我だけど大丈夫?」
先程と打って変わって年相応の子供らしい雰囲気でコテンと首を傾げながら聞くアデリアに呆気に取られたタイガー。
ていうか、この子の喋り方なんか可笑しくないかと思っていると返事をしないタイガーに業を煮やしたアデリアがおーいと何の警戒もせず、ましてや魚人である自分を気持ち悪がらずに近づいて顔を見上げてきた。
そんなアデリアの様子に考えるだけ無駄だと思ったタイガーは敵意をなくし一気に脱力した。
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小狐(プロフ) - 夜兎って名字ないんじゃないんですか? (2020年9月19日 1時) (レス) id: 21c3761e82 (このIDを非表示/違反報告)
小狐(プロフ) - 夜兎って 朱色の髪に青の目じゃないんですか? (2020年9月18日 21時) (レス) id: 21c3761e82 (このIDを非表示/違反報告)
獅音(プロフ) - 急に終わっちゃったのでビックリしましたが作者さんの都合もあると思うので出来るだけ更新頑張ってください (2019年5月3日 6時) (レス) id: 1ee8009000 (このIDを非表示/違反報告)
紅蘭(プロフ) - 更新楽しみに待ってます(´^ω^`) (2018年2月6日 16時) (レス) id: c067e04ee5 (このIDを非表示/違反報告)
師走@体調不良の為、更新が停滞しております(プロフ) - 夢幻さん» 夢幻様 返信が遅れてしまい、、申し訳けございません。私生活の方が少々ドタバタしておりまして、中々書けない日々が続いております。一応頂上決戦までの大まかな流れは考えてあるので頑張って更新しますので、お待ち下さい。 (2017年4月27日 15時) (レス) id: 3dbe1cf590 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:師走@ボードに作品の進捗状況が書いてあります | 作成日時:2016年4月25日 5時