壱 ページ3
世界政府の中心地であり、世界貴族、通称天竜人が住んでいる地である“聖地マリージョア”。
本来なら騒ぎ一つも起こらない筈のこの地は、ここ数年一人の少女の誕生によって毎日てんやわんやの大騒ぎとなっている。
アデリアと名付けられたこの少女、赤い髪に透き通るような白い肌、そして何よりも目を引くのが意志の強そうな金の瞳である。
親族の誰とも似ていないこの少女は、生まれた時は一体誰の子だと問題になったが、成長していくにつれ整っていくその容姿と目を引く瞳と髪の色に価値を見出した親族は何も言わなくなった。
しかし、この可憐な容姿そのままの性格であれば現在の様な騒ぎにはなっていなかった。
彼女、アデリアは近年稀の見る、否、マリージョア始まって以来の大問題児の超お転婆娘だったのである。
それもその筈、彼女の前世は何を隠そう、異世界で“夜兎族”と呼ばれる宇宙最強最悪の傭兵民族と地球人のハーフであり、転生した現在でも何故かその身体能力がそのままだったのである。
前世では、相当やんちゃをしていた彼女からするとこのマリージョアでの生活は窮屈以外の何物でもなく、9歳にして建物から建物へとピョンピョン飛び移り、連れ戻そうとする者達をおちょくりながら逃走中なのである。
「アデリア宮、お待ち下さい。」
「嫌アル。待てって言われて待つ馬鹿なんていないヨ。」
「お願いですから、どうかお戻り下さい。」
「なんで戻んなきゃいけないアルか？今日の勉強はもう終わったって、私聞いたヨ。だから、私好きなことするから邪魔しないで欲しいヨ。」
「ちょ、ホントま、待って下さい。これ以上は…ゼェハァ…私たちの体力じゃむ、無理ですから〜〜。」
「情けない奴等ネ。それでも本当に男アルか？金〇付いてんのか？」
「ちょっと――！女の子なんですからそんな金〇なんて言わないで下さい！」
「うるせーヨタ〇ナシ共が！マジキモイアルしばらく私に話しかけないで。それと私は何者の指図もうけないネ。」
「…ヤバい。俺もう立ち直れないかも。」
「お、俺も…」
「あ ァ ァ ァ ん ま り だ ァ ァ ア ァ ！」
「ギャハハハハハ!お前等あばよ!もう付いて来んなヨ。ヒャッハァ――！」
追いかける者達に女の子とは思えない暴言を浴びせ精神と肉体に限界が来た彼らを嘲笑い奇声を挙げて逃げていく彼女を誰が可憐な少女と思うだろうか…
間違いなくこの惨状を目撃した全員がこう思うだろう
マジで“残念な美少女”の典型だわ……と
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小狐(プロフ) - 夜兎って名字ないんじゃないんですか？ (2020年9月19日 1時) (
レス) id: 21c3761e82 (このIDを非表示/違反報告)
小狐(プロフ) - 夜兎って 朱色の髪に青の目じゃないんですか？ (2020年9月18日 21時) (レス) id: 21c3761e82 (このIDを非表示/違反報告)
獅音(プロフ) - 急に終わっちゃったのでビックリしましたが作者さんの都合もあると思うので出来るだけ更新頑張ってください (2019年5月3日 6時) (レス) id: 1ee8009000 (このIDを非表示/違反報告)
紅蘭(プロフ) - 更新楽しみに待ってます(´^ω^`) (2018年2月6日 16時) (レス) id: c067e04ee5 (このIDを非表示/違反報告)
師走@体調不良の為、更新が停滞しております(プロフ) - 夢幻さん» 夢幻様 返信が遅れてしまい、、申し訳けございません。私生活の方が少々ドタバタしておりまして、中々書けない日々が続いております。一応頂上決戦までの大まかな流れは考えてあるので頑張って更新しますので、お待ち下さい。 (2017年4月27日 15時) (レス) id: 3dbe1cf590 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：師走@ボードに作品の進捗状況が書いてあります | 作成日時：2016年4月25日 5時
