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拾漆 ページ19

「それよりそなた、何故妾達を助けた?」

「それよりって…まぁ別に、特にこれと言った理由とかないヨ。声が聞こえたら勝手に体が動いてた…それだけだヨ?」

安っぽい正義感でも情けを掛けた訳でもないとあっけらかんと言う緋沙那に呆然としながらも納得がいかないという面持ちの三人に面倒臭せぇなと言って耳をほじる。

「別に助かったんだから良いじゃん。細かい事気にしてたら人生楽しくないヨ。」

「「「適当過ぎ!あと、仮にも女子なら耳をほじるな/でない!」」」

三人の全力のツッコミを全く意に返さない緋沙那。

「あぁ、そうだ。こんな所で油売ってる暇なかったヨ。ほらお姉さんたちさっさと逃げるヨ。」

「逃げる事を今思い出したのか…。だが、もう手遅れじゃ。船はもう遥か彼方。能力者である妾達ではとても辿り着く事はおろかこの島から脱出はできぬ。…そなたも妾達を助けに戻らなければ逃げられたものを…」

そう諦めた表情で座り込んでしまっているハンコックとその妹達を見つめる緋沙那。

「あ…め…ねぇヨ。」

「「「え?」」」

「諦めるんじゃねぇヨ。まだ、何も終わっちゃいねェ。逃げる為に…足掻く為に必要な手足は動くじゃねェか。そいつが動く限り、何度だって立ち上がれる。何度だって自由に向かって手を伸ばせるんだヨ。」

あまりの勢いに呆然とする3人。

「じゃが、もう…」

「あんたは、後ろの二人を護りたかったんじゃねェのか?」

「ッハ!」

「護りてェもんがある奴は、どんなになろうが護りてェっつう意志がある。さっきまでのあんたは、そうだったが今は違うのか?」

「ま…たい」

「「あ、姉様?」」

「妾は、妹達を護りたい!例え何があったとしても、二人と共に島に帰る!」

決意を込めた強い眼差しで言うハンコックにニカッと笑いながら手を差し伸べた緋沙那。

「そうと決まれば善は急げネ。一度しょい込んだ命、何人だろうが放り出したりはしねぇヨ。」

その手を握り返し再び立ち上がったハンコック。

取り敢えず4人は、岸まで行くとやはり遥か先まで行ってしまった船。

「う〜ん。この距離だと
投げ飛ばすには遠すぎるネ。」

「「「な、投げ飛ばす⁉」」」

策があると言っていたのにまさかの船まで投げ飛ばすという途轍もない作戦だと思わなかった3人は、驚き、顔が引き攣る。

「作戦変更ネ。私が向こうまで運ぶヨ。」

自信満々で言っているが、どっちにしろ無謀な作戦に頭を抱えるが、次第にもうどうとでもなれと吹っ切る3人。

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設定タグ:ONEPIECE , ワンピース , 原作崩壊   
作品ジャンル:アニメ
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小狐(プロフ) - 夜兎って名字ないんじゃないんですか? (2020年9月19日 1時) (レス) id: 21c3761e82 (このIDを非表示/違反報告)
小狐(プロフ) - 夜兎って 朱色の髪に青の目じゃないんですか? (2020年9月18日 21時) (レス) id: 21c3761e82 (このIDを非表示/違反報告)
獅音(プロフ) - 急に終わっちゃったのでビックリしましたが作者さんの都合もあると思うので出来るだけ更新頑張ってください (2019年5月3日 6時) (レス) id: 1ee8009000 (このIDを非表示/違反報告)
紅蘭(プロフ) - 更新楽しみに待ってます(´^ω^`) (2018年2月6日 16時) (レス) id: c067e04ee5 (このIDを非表示/違反報告)
師走@体調不良の為、更新が停滞しております(プロフ) - 夢幻さん» 夢幻様 返信が遅れてしまい、、申し訳けございません。私生活の方が少々ドタバタしておりまして、中々書けない日々が続いております。一応頂上決戦までの大まかな流れは考えてあるので頑張って更新しますので、お待ち下さい。 (2017年4月27日 15時) (レス) id: 3dbe1cf590 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:師走@ボードに作品の進捗状況が書いてあります | 作成日時:2016年4月25日 5時

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