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拾参 ページ15

「私、細かい事は気にしない主義ネ。」

と言ってサングラスとカツラを奪って身に付けた緋沙那は、これで文句ないだろと言いたげにドヤ顔をする。

「お前、なに人のカツラ平然と奪って被ってるんだ!」

「大丈夫、何も問題ないヨ。…ちょっと臭いけど。」

「臭いなら取れよ!それで、返してやれ。流石にそいつが可哀想だ、頭とか心の方とか…」

「タイちゃん、人ってのは時には潔さも大事アル。こいつもこんなの被ってないで潔く生きるべきネ。」

「そんな潔さいらねぇよ!」

そんなやり取りをしながら結局、緋沙那はカツラで紅髪をサングラスで金瞳を隠し、ジャージにマフラーと怪しい出で立ちのままツッコミを諦めたタイガーと共に追手を蹴散らしながら人々の逃走を助ける。

その辺で拾った枝から奪った剣を振り蹴散らしていく緋沙那を見て、先程言った瞬足ってのも伊達じゃないと横で戦いながら思うタイガー。

縮地を使った独特な戦い方は、蹴り等もあり喧嘩殺法にも見えるが、その中に前世の父親から受け継いだのであろう流麗な剣技が垣間見えた。

本人曰く、戦いから離れすぎていて大分感覚などが衰えているそうだが、それを感じさせない緋沙那の動きと何より余裕の笑みを見せながら戦っていることにタイガーは気付いた。

「随分と楽しそうな顔してどうした?」

「久し振りに他人に背中預けながら戦えるのが楽しいだけだヨ。こっちに来てからこんな事一度もなかったし、今後も無いかもしれないから今のうちに楽しんどかないと。」

そう笑顔で言いながら次々と倒していく緋沙那。

「なんだ、お前。戦闘狂だったのか。」

「…そうかもしれないネ。夜兎の血が生まれ変わっても疼いてるのかもしれない。特に私の親戚に途轍もないのが居たからネ。」

と今は亡き叔父を思い出して苦笑いする。

「お前がそんな顔するなんてな…よっぽど途轍もない奴だったんだな。」

「そうだネ。太陽の光に極端に弱かったけど、アレは間違いなくバケモノクラスの強さだったヨ。だから…」

そう言って一気に駆け抜け追手を次々と斬り倒すと肩に剣を担いでニヤッと笑う。

「そんなバケモノと同じ血が流れてる私にとってコイツ等ぶちのめすのなんか朝飯前ネ。」

「ハハハ!こりゃ、勇ましいな。・・・こりゃ、俺も負けられねぇな。」

そして再び駆けだした二人。

二人の猛攻に為す術もなく次々と倒されていく追手たちは、その勢いに蒼褪めた顔で戦意を失っていく。

「な、何なんだ、コイツ等は。」

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設定タグ:ONEPIECE , ワンピース , 原作崩壊   
作品ジャンル:アニメ
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小狐(プロフ) - 夜兎って名字ないんじゃないんですか? (2020年9月19日 1時) (レス) id: 21c3761e82 (このIDを非表示/違反報告)
小狐(プロフ) - 夜兎って 朱色の髪に青の目じゃないんですか? (2020年9月18日 21時) (レス) id: 21c3761e82 (このIDを非表示/違反報告)
獅音(プロフ) - 急に終わっちゃったのでビックリしましたが作者さんの都合もあると思うので出来るだけ更新頑張ってください (2019年5月3日 6時) (レス) id: 1ee8009000 (このIDを非表示/違反報告)
紅蘭(プロフ) - 更新楽しみに待ってます(´^ω^`) (2018年2月6日 16時) (レス) id: c067e04ee5 (このIDを非表示/違反報告)
師走@体調不良の為、更新が停滞しております(プロフ) - 夢幻さん» 夢幻様 返信が遅れてしまい、、申し訳けございません。私生活の方が少々ドタバタしておりまして、中々書けない日々が続いております。一応頂上決戦までの大まかな流れは考えてあるので頑張って更新しますので、お待ち下さい。 (2017年4月27日 15時) (レス) id: 3dbe1cf590 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:師走@ボードに作品の進捗状況が書いてあります | 作成日時:2016年4月25日 5時

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