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カメラを取り付けた次の日、玄関を開けるとまた同じようなダンボール箱が置いてあった。

昨日よりも少しサイズが大きい。
恐る恐る箱を開けると、今度はズタズタに切り裂かれたハトが入っていた。

『っ………。』

ネズミと同じように公園の端に埋めて手を合わせた。

それから家に戻って監視カメラの映像を確認した。
そこには確かに犯人が映っていたけど、上下黒い服にフードを被り、サングラスにマスクをしていたため顔が確認出来なかった。


映像を警察に持っていったけど、これだけじゃ証拠にはならないと言われた。

警「ですが、相当悪質な行為です。近くの交番にもこの時間帯でパトロールするよう伝えておきます。」

『ありがとうございます……。』

優しい警官さんで良かった。
これで犯人もすぐに捕まるだろうと思った。


でも、現実はそう甘くはなかった。

犯人は予測したかのように次の日からも時間帯をずらしてダンボール箱を置いていった。
箱の中には同じように血塗れの動物。
ネズミから始まってハト、カラス、うさぎ、猫、犬…………。段々とサイズが大きくなる箱。

その度に私は公園にその動物達を埋めて小さな墓を作った。

『ごめんねっ……ごめん、ね……!』

あなた達は何も悪くないのに。
こんなことのために、命を奪われて…。


連日続く出来事に、精神的な疲労がどんどん蓄積されていった。仕事でもミスをして注意されて、心も身体もボロボロで、もう限界に近かった。


次の日もダンボール箱が置いてあることを予想して玄関を開けた。

『………え?』

箱はなかった。
身構えていただけあって、ないと分かるとドッと力が抜けた。

だけど、気づいた。
ポストに封筒が入っていることに。

綺麗なピンクの封筒。震える手で封を切って中に入っていたものを見た。

『っ……!!』

[次はオマエの番だ]

赤字でそう書かれた紙と一緒に、カッターみたいなものでズタズタにされた私の写真が入っていた。

恐怖で足が震えてその場にしゃがみ込んだ。

目から涙がこぼれ落ちる。



どうして?

私はこんなことをされるほど誰かに恨まれるようなことをしただろうか?

ただフィッシャーズのみんなと一緒にいたいだけなのに。一緒に、笑っていたいだけなのに。




それすら、許してくれないの?

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リィオ(プロフ) - みずきさん» 読んでくださりありがとうございます!申し訳ないですが、活動名は固定です。すみません……(--;) (2019年11月4日 11時) (レス) id: 86036bcecf (このIDを非表示/違反報告)
みずき - 活動名などは変えられないんですか? 楽しく読ませていただいてます。 (2019年11月4日 9時) (レス) id: 3bcdf4194e (このIDを非表示/違反報告)
HANA(プロフ) - 読んだよー!!続き!!!早く!!!(((o(*゚▽゚*)o))) (2018年10月22日 0時) (レス) id: 38cba622c1 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:リィオ | 作成日時:2018年6月6日 21時

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