【Fischer's】ずっと一緒に

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次の日

昨日のこともあり外に出るのは少し怖いが、仕事に行かないといけない。いつも通り支度をする。

車を持ってて良かった。
これで幾分かは安心できる。

仕事に行く前にゴミを出しに行こうと思い、ゴミ袋を持って玄関の戸を開けた。

『…？なんだこれ。』

玄関の前に見慣れない小さなダンボール箱。箱の上には[ルーナへ]と書かれた紙が貼ってある。

不自然すぎて、なんだか気味が悪い。
そう感じると同時に嫌な予感がした。

ドクン…… ドクン……

心臓の鼓動が耳元で聞こえる。

震える手でダンボール箱に触れた。
ガムテープを剥がし、ゆっくり蓋を開けるとムワッと広がる生々しい匂い。


『…ひっ………！』


思わず上擦った声が漏れた。

箱の中には見るも無残にズタズタに切り裂かれて息絶えたネズミが5匹入っていた。

『う"っ………。』

胃酸がこみ上げる。手のひらで口を抑えて、何とか耐えた。

ひどい。誰が、こんなことを…。

辺りを見渡したけど、誰もいない。

……とにかく、考えるのは後にしよう。
目の前のダンボールをどうにかしないと。

ダンボールの蓋を閉めてアパートの脇にある公園に持っていった。
公園と言っても遊具は2、3個しかない小さなもので、遊びに来る人はほとんどいない。管理者はアパートの大家さんらしいけど、手入れもしていないんだそうだ。

端の方の土を掘り返して作った穴の中にネズミを入れて土をかける。

このネズミ達には罪はない。
こんなの気休めだって分かってるけど。

『……ごめんね。』

痛かったよね、苦しかったよね。

土をかけ終わって、そっと手を合わせた。


本当に、誰がこんな酷いことをしたのか。
[ルーナへ]と書かれた紙が貼ってあったということは、少なくともフィッシャーズを知っている人。
そして私個人に恨みを持ってる人。

『………昨日のストーカーも同じ犯人？』


私はすぐに警察に通報した。
だけど、今の段階で犯人に繋がる手がかりはなくてどうしようもないと言われてしまった。

だから、電気屋で監視カメラを買って玄関先に取り付けた。これで犯人の姿を映し出すことができる。そうすれば、すぐに犯人を特定出来る。


そう、思ってたんだけど。




※長くなるので次に行きます。

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