検索窓
今日:3 hit、昨日:6 hit、合計:110,361 hit

15 ページ16

『…!?モ、モトキ…?』

モ「………。」

急に抱き締められて戸惑う。

心臓の鼓動がどくどくと耳元で聞こえて、モトキにも聞こえてしまうんじゃないかと思うくらい高鳴った。

『モトキ…離し、』

モ「前と同じ。」

『…え?』

モ「風邪ひいた、伝染ると悪いから来ないで欲しいって言って…そのまま俺たちの前からいなくなった。」

『ぁ……。』

モ「俺さ、ずっと後悔してた。あの時Aの様子が変だって何となく感じてたのに、"大丈夫"って言われてそれ以上何も聞かなかった。無理矢理にでも話を聞くべきだったって。」

『………。』

モ「もう、後悔したくない。…この手を離したらまたいなくなる気がして怖いんだ。」

『っ、モトキ……。』

モ「お願い、A…全部1人で抱えて勝手に居なくならないで…!いい加減、俺たちを頼ってよ!」

『っ!』

「話してくれるまで、絶対離さないから。」

ぎゅっと、より一層抱き締める力が強くなった。




後悔?

そんなの、私もしてたよ。

あの時、みんなに相談しておけば良かったのかなって。

そうすれば、何か変わっていたかもしれない。
6年も離れないで良かったかもしれない。


あぁ…馬鹿だな、私。

また同じことを繰り返そうとしてた。


おそるおそる、モトキの背に手を回した。

我慢してた涙がポロポロと目からこぼれ落ちる。

『っ、モトキぃ……!』

モ「うん、我慢しなくていいよ?」

『うっ…、前と、同じこと…するところだった……!』

モ「うん、うん……。」

『ホント、に……ごめっ……!』

モ「大丈夫。大丈夫だよ。」

優しく背中を叩かれて、ついに涙腺が崩壊した。


私の涙が落ち着くまで、モトキはずっと私を抱きしめていてくれた。

そうしてしばらく、私たちは抱きしめ合っていた。

16→←14



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (36 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
125人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

リィオ(プロフ) - みずきさん» 読んでくださりありがとうございます!申し訳ないですが、活動名は固定です。すみません……(--;) (2019年11月4日 11時) (レス) id: 86036bcecf (このIDを非表示/違反報告)
みずき - 活動名などは変えられないんですか? 楽しく読ませていただいてます。 (2019年11月4日 9時) (レス) id: 3bcdf4194e (このIDを非表示/違反報告)
HANA(プロフ) - 読んだよー!!続き!!!早く!!!(((o(*゚▽゚*)o))) (2018年10月22日 0時) (レス) id: 38cba622c1 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:リィオ | 作成日時:2018年6月6日 21時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。