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『…!?モ、モトキ…?』
モ「………。」
急に抱き締められて戸惑う。
心臓の鼓動がどくどくと耳元で聞こえて、モトキにも聞こえてしまうんじゃないかと思うくらい高鳴った。
『モトキ…離し、』
モ「前と同じ。」
『…え?』
モ「風邪ひいた、伝染ると悪いから来ないで欲しいって言って…そのまま俺たちの前からいなくなった。」
『ぁ……。』
モ「俺さ、ずっと後悔してた。あの時Aの様子が変だって何となく感じてたのに、"大丈夫"って言われてそれ以上何も聞かなかった。無理矢理にでも話を聞くべきだったって。」
『………。』
モ「もう、後悔したくない。…この手を離したらまたいなくなる気がして怖いんだ。」
『っ、モトキ……。』
モ「お願い、A…全部1人で抱えて勝手に居なくならないで…!いい加減、俺たちを頼ってよ!」
『っ!』
「話してくれるまで、絶対離さないから。」
ぎゅっと、より一層抱き締める力が強くなった。
後悔?
そんなの、私もしてたよ。
あの時、みんなに相談しておけば良かったのかなって。
そうすれば、何か変わっていたかもしれない。
6年も離れないで良かったかもしれない。
あぁ…馬鹿だな、私。
また同じことを繰り返そうとしてた。
おそるおそる、モトキの背に手を回した。
我慢してた涙がポロポロと目からこぼれ落ちる。
『っ、モトキぃ……!』
モ「うん、我慢しなくていいよ?」
『うっ…、前と、同じこと…するところだった……!』
モ「うん、うん……。」
『ホント、に……ごめっ……!』
モ「大丈夫。大丈夫だよ。」
優しく背中を叩かれて、ついに涙腺が崩壊した。
私の涙が落ち着くまで、モトキはずっと私を抱きしめていてくれた。
そうしてしばらく、私たちは抱きしめ合っていた。
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リィオ(プロフ) - みずきさん» 読んでくださりありがとうございます!申し訳ないですが、活動名は固定です。すみません……(--;) (2019年11月4日 11時) (レス) id: 86036bcecf (このIDを非表示/違反報告)
みずき - 活動名などは変えられないんですか? 楽しく読ませていただいてます。 (2019年11月4日 9時) (レス) id: 3bcdf4194e (このIDを非表示/違反報告)
HANA(プロフ) - 読んだよー!!続き!!!早く!!!(((o(*゚▽゚*)o))) (2018年10月22日 0時) (レス) id: 38cba622c1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:リィオ | 作成日時:2018年6月6日 21時