【Fischer's】会いたい (ページ22)

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モトキside

会場の外は予想以上に人がたくさんいた。

これ大丈夫かな…。

シ〈モトキー？どんな感じ？〉

『けっこう人いるよ。お前バレたらどうするよこれwww』

シ〈んー…なんとかなんじゃね？www〉

『ちょ！企画者適当かよwww』

シルクとこそこそと通話しながら自販機に向かう。

ちょっと目深に帽子かぶっているし、眼鏡もかけてる。メンバーじゃなければ俺だって気づかない・・・・・はずwww

周りの人にぶつからないように注意しながら進んだ。けっこう端のほうまで来てもうすぐ自販機ってところで、近くいた女性が横にずれようとしていてぶつかってしまった。

「あっ、すみません！」

『いえいえ、こちらこ、そ……。』

目を疑った。
相手も帽子をかぶっていたし、髪も以前より伸びていたけど。

一瞬でわかった。

ずっと、探してた人。

俺たちの・・・・俺の、大切な人。

『A………？』

Aも俺だって気づいたみたいで、唖然としていた。

でも、俺が名前を呼んだらびくっと肩が跳ねて反対方向に駆けだそうとした。
咄嗟に彼女の手をつかんで止めた。

『っ待って！』

A「あっ……！」

『A…A、だよね……？』

A「…人、違いです。」

『じゃあなんで逃げようとしたの？』

A「っ……。」

俯いて何も話せなくなるA。

どうして逃げるの？どうしてここにいるの？
どうしてあのとき、俺たちに何も相談してくれなかったの？

問いただしたいけど、落ち着いて話していられる状況じゃない。