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シ「フィッシャーズのファンミーティングをやります!皆さんぜひぜひ応募してください!」
「「「アデュー!」」」
告知!とタイトルに記された動画を見て、本当に人気になったもんだとしみじみ思った。
彼らがウオタミと呼んでいるたくさんのフィッシャーズファンにとってはこのイベントは喜ばしいことだろうな。
あれからもう6年経った。
今の動画に柳田さんの姿がないってことは、フィッシャーズには入れてもらえなかったってことだと思う。
まぁ、そんな簡単に入れるほど、私たちの関係は浅いものじゃないけど。
もう、大丈夫なんじゃないかなって思う時が何度もあった。
みんなに会いに行っても、問題ないんじゃないかって。
でも、怖いんだ。
柳田さんのこともそうだけど、
何よりも
黙っていなくなった私をみんなはどう思っているのだろうって考えると
怖くて仕方ない。
幻滅したに決まってる。
会ったとしても、きっと拒絶される。
6年の月日はみんなに会いに行くことへの恐怖心を強くした。
欲をいえば、会いたい。
でも怖い。
考えはずっとループする。
……あーでも。
見るだけなら、いいかな?
それくらいなら、許してくれる?
つくづく甘い考えだと思ったけど。
私はファンミーティング応募の文字を震える指でタップした。
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作者名:リィオ | 作成日時:2018年5月1日 1時