巡り巡るはきみのもと5 (ページ18)

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__子供たちを乗せた輸送船の出発後。

「さて、これから俺はグリーンビットに向かうつもりだが。」

「あ？」

そろそろ麦わら屋たちも出航だろう。

白猟屋たちに、俺の計画を話すつもりは微塵もないが
海軍は最後まで存分に利用させてもらうよ……

「麦わら屋の一味は俺の手に負えるかどうか。」

「スモーカーさん！バイバーイ！」

「っ、まて」

立ち上がった俺に続きその場を離れようとした
キツネ屋の腕を突然、白猟屋が掴んだ。

「わっ、何？！線、超えてるよ？！」

「っ」

咄嗟の行動だったらしい。
すぐにキツネ屋から手を離した白猟屋。

「やっぱりお前…俺とどこかで会ったことはないか？マリンフォードよりも以前から、俺はお前を昔から知っている気がする。」

「これは、海兵として聞いてんじゃねぇ。お前の…本当の名前はなんだ。」

「えっ…」

キツネ屋が、じっと白猟屋を見つめる。

「私のこと好きなの？」

「…は？」

「白猟屋…やっぱりそうだったか。」

面を外してみろとか言い始めた時から疑ってたが。
海兵として聞いてんじゃねぇってのは確信犯だ。

顔は見てねぇから…

人間姿になった時の雰囲気が気に入ったんだな。

「こいつだけはやめとけ。お前の手には負えねぇぞ。」

「トラさん？」

「行くぞ。」

「ねぇ、さっきの発言なに？」
と、歩き出してもずっと聞いてくるキツネ屋。

「誰にも渡す気はねぇって、顔に書いてあるぞ、ロー…」

キツネ屋がうるさくて、白猟屋のその呟きは
俺たちには全く聞こえなかった。