巡り巡るはきみのもと3 (ページ38)

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その姿を見て、一気に会場が盛り上がる。

「女の人魚って確か、ここでは最高額で取引されてるんだよね？」

「あぁ。」

水槽の中で暴れている女の人魚。

犯罪者でもなく、確実に捕まえられたやつだ。

「…2億！！！」

客たちが多額を提示したあと、
後ろから大きな声が聞こえた。

…麦わらの一味の女だ。

「えぇ～。まさかの、麦わらたちも人魚が目当て？」

「さあな。」

あの人魚、仲間…かは知らねぇが、
麦わら屋たちと知り合いではありそうだ。

さっきまで騒いでいた人魚が、
一味の存在に気付いてから大人しくなっている。

…買い戻してぇって魂胆か…？

「さあさあ、2億が出ましたよ！！？若い女の人魚、2億でよろしいでしょうか？？！」

さすがに2億は出せないのだろう、
誰も何も言わない。

「では、2億で…「5億！！！！」

天竜人が、ゆっくりと札を上げた。

もう本当に誰も何も言わない。

「それでは、5億ベリーにて、落札を…決定ーー！！！」

？！！！！

司会者が、小槌を振り下ろしたと同時に
オークション会場に誰かが突っ込んできた。

人が吹き飛ばされ、ぶわっと土煙が上がる。

「フッ…」

…きたか。

「おぉ、派手なお出ましで。」

「キツネ、探しに行ったのにね。」

シャチとベポが言った。