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「お前ら、人間屋に行くのか？」
さっきまでキツネ屋がいた、銃の店主が
俺たちの話を聞いて顔を出した。
「この時間はやってねぇぞ。人買いが目的じゃねぇにしても、今行ったところで責任者はいやしねぇよ。あそこは日中の営業だ。」
「人身売買を、そんな日中に堂々とやってんのか？」
「政府黙認だからな、あの店は。天竜人も人間屋に行って大金を落とすんだ。誰も何も言えねえだろう。」
キツネ屋が、苦い顔をする。
「お前さん、気をつけな。」
店主がキツネ屋を見て言った。
「表向きには、売られる人間は犯罪者や札付きの海賊に限定されてるが、そんなの嘘で、誰でも売られるからな。人魚だったり…あんたみたいに珍しい見た目の人間は天竜人に好まれる。」
「…忠告、ありがとう。」
そう言って、キツネ屋が面をつけた。
「随分と優しく教えてくれるのね。」
「そりゃあ…」
「キツネ屋！！！！」
突然、亭主がキツネ屋に向けて銃を発砲した。
「んがあああ！！！！！」
しかし、床に血を流して倒れたのは、
亭主だった。
「くっそ…！！」
腕から血を流し、その腕を
キツネ屋に踏まれている亭主。
そんな亭主に銃口を向けるキツネ屋。
「目的は？」
「おっ、お前を人間屋に売り払うつもりだったんだ！でももうしない！だから！殺さないでくれ！」
「…」
無言で腰を屈めると、キツネ屋は
亭主の頭に銃口を突きつけた。
その光景に、子供の頃に脳裏にこびりついた
最悪な光景が呼び起こされる。
「やっ！やめてくれ！！！！」
「キツネ屋！やめろ！」
カチッと引き金をひく音がしたと同時に
どこからか、別の賞金首が襲ってきた。
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作者名：ソンア | 作成日時：2020年11月5日 16時
