日常の中の非日常

38話 ページ38

京「提案があります。」





馳「提案？」




京「これ、待ち伏せしてる馳さんの姿です。防犯カメラに写っていたのをマンションの方から提供してもらいました。」





動揺してる。
いい感じ？





京「それと今の会話録音してました。待ち伏せしていたのを自分の口ではっきりと言いましたよね？」







馳「、来月からワールドツアーだから、こういうのはちょっと。」







うん。それも知ってる。だから。







京「取引きしませんか？俺がこれを口外しない代わりに馳さんもその写真消してください。」







黙り込んだ。

悪くない話のはずなんだけど。






ジ「馳さん、もうこんなのやめよう。優しい馳さんに戻ってよ。」






ジェシー、。泣いてる？






馳「、ごめん。俺が入院したときさ、Aちゃんが親身に話聞いてくれた。芸能人だからとかじゃなくて、1人の人間として認められたような気持ちになれた。」







確かに、Aさんはそういうところが本当に素敵だと思う。







馳「振り向いて欲しいのに全然振り向いてくれなくて。、俺ヤケになってた。京本くんとさえ会わなければ俺のものになると思ったのに、あの子から笑顔奪って。気が付いてたのに、気が付かないフリして。本当に俺最低だよな。」








根っからの悪い人じゃなくて、拗らせちゃってただけなんだな。







馳「京本くん、ごめん。」







京「俺も、取引なんて言ってすみませんでした。俺も馳さんの気持ちめちゃくちゃわかります。」








それぐらい、Aさんは魅力的な人だから。







無事に一件落着してから今日で3ヶ月。


三枝さんによると今日はAさんが日本に帰ってくる日。


会いたいのに会えなくて。好きな気持ちがどんどん膨らんで。





会えない時間が愛を育てるとか、キザな言葉だよなと思ってたけど、


本当にそうなんだなって実感した。


共演者の人たちとお寿司を食べに行った後、今日はマンションの方に帰って、インターホンを押してみよう。






この半年に起こったこと、たくさんたくさん話したい。

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