日常の中の非日常

37話 ページ37

それから4ヶ月。



私は留学を終えて、羽田空港に戻ってきた。







パトリック『A、日本めちゃくちゃ空港綺麗でいいね。お寿司、ラーメン色々食べたい。』





彼は外科医のパトリック。

交換留学なので、私が戻るタイミングで日本に来た。

しばらくの間、私が彼の面倒を見ることになっている。







「マンションに荷物置いたら、お寿司食べに行く？お腹空いてる？」








パトリック『うん。いいね。食べたい。』





せっかくの日本での初ご飯だし、いいところに連れて行ってあげよう。







「じゃあ、おしゃれしてきてね。」








パトリック『わかった。Aドレスアップしてくる？』






「うん。してくる。」






パトリックは、オペの腕はめちゃくちゃいいけど無邪気ですっごく可愛い。



今だって、どこに需要があるかわからない私のドレスアップに喜んでる。






パトリック『マンションの部屋、Aの隣？』







確か、大我さんと反対側の隣だったはず。






「うん。そうだよ。」







そういえば、大我さん。まだあそこに住んでるのかな？






パトリック『A？』







「あ、ううん。なんでもない。行こっか。こっちこっち。」






ーKyomoto Sideー






Aさんが留学に行ってから3ヶ月後。

俺は、頑張ってゲットしたストーカーの証拠を手に馳さんと対峙していた。








馳「で、話って？」







京「あの。Aさんに対して何か言いました？」







証拠は持ってるけど、話している時に更にストーカーしていることを口にするかもしれないから、とにかく慎重に。
少しずつ話そう。







馳「あんたとの熱愛っぽい写真、週刊誌に売るって言ったけど、それが何か？」






京「でも、実際はまだ売ってないですよね。どうしてですか？」







馳「交換条件だよ。あんたともう会わないって約束するなら、売らないって言ったから。Aちゃんは約束守ってるし、あんたたちの仲はもう終わってる。売る必要ないだろ。」







終わってるわけじゃない。
終わるも何もこれから始めるんだから。







京「あのどうして、俺らが会ってないって知ってるんですか？」






馳「だって、最近Aちゃん家帰ってないだろ。俺ちゃんと見てるから知ってる。」







京「見てるってどうやって？」







馳「ロビーのわきのところで見てる。」







よし、ボロだした。
今の録音もしたし、これでストーカーの証拠が増えた。


一緒に来てくれたジェシーと樹もうなづいてる。

こっから形勢逆転だ。

38話→←36話

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す