日常の中の非日常

35話 ページ35

三枝「ええ。まあ。半年間の留学ですね。」





半年間も？




京「途中で一時帰国とかする予定あるんですか？」






三枝「ないです。仕事上の留学ですし、厳しいと話題の病院なんでそんな余裕はないと思います。」






じゃあ、半年間一切会えないってことか。






京「あの。、なんで急に留学に？」






三枝「急な欠員が出たらしいですね。留学まで1ヶ月ぐらいしかないような急ピッチな準備でした。」






1ヶ月前といえば、ちょうど馳さんが接触してきた時。、


いや。流石に考えすぎか。






三枝「あいつ、臆病なんですよ。」






、え？





三枝「だから、傷つけないように必要以上に人と関わらなくて、いつもどこか寂しそうだったんです。、でも、あなたと出会ってあいつは変わった。馳さんに絡まれる前のあいつは、なんだか楽しそうでした。」






馳さんに絡まれる前は。、







京「最近、なんか様子おかしかったりしたんですか？」







三枝「まあそうですね。、だっておかしいと思いません？あなたに一言も告げずに留学に行くなんて。、俺が嫉妬するぐらい仲良かったじゃないですか。」








俺がいうのもアレだけど、仲良かった。


なんでだろう。






三枝「まあ、馳さんと何かあったんでしょうね。例えば、あなたとの関係をバラすって脅されてたとか。」






あり得るかもしれない。

だから、俺に連絡しないで接点を断とうとした？




俺のこと、守ろうとしてくれたのかもしれない。


そうじゃないとしても、誠実な人だし、何か理由があったに違いない。






京「俺、色々と探ってみます。何かわかったら連絡しますね。」







三枝「はい。俺も色々調べてみます。、俺、2人のこと応援してるんで。」







、え？






京「三枝さんも、Aさんのこと。」




好きだったはずだけど。、？








三枝「好きだからこそです。、藤川には笑っていてほしい。笑っていられる場所があなたの隣なら、それでいい。、まあ、そのためにはまだ乗り越えないといけない壁がありそうですけど。」








三枝さん、すごい人だ。
大事な人の幸せのためなら、ライバルのことも応援できるなんて。






三枝「あ、すみません。呼ばれたんで戻ります。じゃあ、頑張ってください。失礼します。」






京「ありがとうございます。失礼します。」

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