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忍者として一生を終えるつもりだった私は、このお方の求婚を断り、護衛を続けさせてもらっていた。このお方もすぐに諦め、また普段の暮らしが戻ってきた。
ように、思っていた。
どうやらこのお方は、私が自分の物にならないのであれば、と同じ護衛をしていた約十名の忍に殺しを依頼したらしい。
夜、寝所にやってきた同僚らには、はなから殺す気はなかったようだが、その後逃げた私と同僚には続々と手練れが押し寄せてきた。忍者の中で一番と言われるだけあって自分でも思うくらい私は強かったが、そのことを慢心し過ぎていたのかもしれない。
同僚約十名は殺された。私と別行動をして一刻も経たない内だったように思う。別に同僚たちが弱いという訳ではない。一人に対して刺客が多すぎたのだ。
私の場合、手練れが何十人も、また入浴中に来た。もちろん私たち忍者は入浴中だって警戒するし、武器だって少しは持っている。ただ、相手にそれだけの用意が出来ると思っていなかった私が愚かだったのだろう。
ただ、生まれ変わった私に、一つだけ言えるとしたら…私は、もっと強くなりたい。強くなって、周りの者も守れるくらいに。
そう願って日々を生きていた。
…もう、周りに知り合いも何もいないのに。
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作者名:ラヴァン | 作成日時:2020年6月10日 11時