第四話 ページ6
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最近仲良くなった中ちゃんとのお喋りも終えたし期限が迫っていた金丹も作り終えたしで暇な僕は、僕にとっては珍しく久しぶりに鬼灯について考えていた。その結果分かった事。それは…
ガラガラ
あ、誰か来たみたい。残念だけどまた機会があったら言う事にするね。
「白澤様、仙桃の収穫終わりましたー」
「謝謝、ありがとね。…あ、桃タローくん頭に葉っぱついてるよ」
こういう所ほんと桃タローくん可愛い。普段しっかりしてるのに時々ドジっ子とか。顔が緩んじゃう。まあ、どう頑張っても緩んじゃうからもう随分と前から諦めてるんだけどね。
「え、ほんとですか」
「ちょっと待ってね」
そう言って頭巾の所についた葉を取る。あ、これってもしかして一巻の…?いや、これまでも何回かあったしまだだよね?でもこの葉って事は…
「よし、取れた」
「ありがとうございます。あ、その葉っぱ…」
「何だかわかる?」
あ、別に意地悪なんじゃないよ。桃タローくんの成長に必要な事だから。こういう小さな事から一つ一つ積み重ねていく事が大切だからね。
「…何だろ。あ、ホオズキ?」
「正解!“酸漿”又は“鬼灯”、英名ではChinese lanternって言うんだ。鬼は中国語で幽霊のことだから、“亡者が持つ赤い提灯”ってことだね。
根は生薬で鎮咳剤や利尿剤になるけど毒でもあるよ。微毒だけどね。昔、遊女が堕胎薬として服用していたこともあるし、妊婦さんは絶対に食べちゃダメ」
「その通り。アルカロイド及びヒストニンを含みますので流産の恐れがあります」
「そうそう…」
よく知ってるなぁ。桃タローくんもこんなに成長したんだね。僕は嬉しいよ。
「もっとも貴方はたらふく食って内臓出るくらい腹下せばよいのです」
…って、鬼灯!?やっぱり一巻だったんだこれ!
「桃タローくん!コイツは猛毒だから逃げろ!豆まけ豆ッ!!」
「えっ…あ、鬼灯さん」
たしかこんな対応だったよね?そして僕の癒しメンバーたちの再会か。
「桃太郎っ!遊びに来たよ!」
「おー、シロッ!柿助!ルリオー!」
「元気?桃太郎」
「元気元気、何だお前少しデブッたんじゃねーかー?」
「お仕事順調?」
「順調順調。それに俺、今薬についても学んでるんだ。やっぱ今の時代手に職かなっ…て」
「大人になったね桃太郎!」
「白澤様に教わってるんだ。凄いんだぜ?知らない草はないんじゃないかな」
待って、桃タローくん可愛すぎる大好き。
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フィン - めっちゃ面白くて好きです! (12月3日 20時) (レス) @page16 id: 87fcaa2032 (このIDを非表示/違反報告)
モブのプリン(プロフ) - ヤヴァイこの続き気になりすぎるんだが???とりまお気に入りとーろくしとこ (2021年2月22日 23時) (レス) id: 290b8ce4dc (このIDを非表示/違反報告)
渡(プロフ) - 面白いです (2021年2月3日 21時) (レス) id: c3f8edfab8 (このIDを非表示/違反報告)
鋳汚 - 面白かったです!更新はまたされますか?頑張ってください! (2020年11月20日 22時) (レス) id: c043956606 (このIDを非表示/違反報告)
イズキ(プロフ) - めっちゃ面白かったです!更新楽しみにしてます!(≧ω≦) (2020年10月5日 2時) (レス) id: 0ea8b0dbfd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ラヴァン | 作成日時:2020年5月22日 23時