[閑話]白き獣 鬼灯side ページ16
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(第六話の鬼灯視点です)
白澤さんが、桃太郎さんのことを好き…?
少し呆然としながら、私は足を踏み出す。
「柿助さん、シロさんたちと少し待っていて下さい。私はこの阿呆とあちらで話してきます」
あまり考えがまとまらないまま、わあわあと喚く白澤さんを連れて、高麗人参の畑付近で立ち止まる。
今の自分が側から見て普段通りに過ごせているのか、そんなことを気にしながらも、何処かびくびくと、それでいて少し目をキラキラさせた白澤さんと目が合った。
「貴方、男が好きなんですか」
それなら、私でも…
「え〜?可愛い子はみんな好きだよ〜」
…ダメですよね、そんなこと解っています。
頭が真っ白になり、まだ何も考えられていないというのに、沈黙に耐えきれなかった私の口からは勝手に言葉が吐き出されていきます。
「私は別に偏見などはありませんが、桃太郎さんを悲しませたり迷惑をかけたりだけはしないでください。私は貴方が…」
「あーうん、お前には関係ないから。もういい?」
自分は何を言おうとしているのかと考えようとした瞬間、白澤さんの言葉でハッと気がついた。私にとっては唯一無二の存在である白澤さんですが、白澤さんから見れば私など数多にいるその他大勢のうちの一人なのだということに。
彼の優しさで今まで繋がっていた縁だということに。
それだというのに…
「いえ、私も勝手にやっててくださって良いと思いますが、色ボケして薬を卸せないというのはやめて下さいね」
売り言葉に買い言葉で、つい口が無駄に回ってしまった。
そして白澤さんは
「はいはい」
と言って私の言葉を流した後、さもどうでもいいことのように、こちらを見ずに家の中へ入っていってしまった。
私は…
「…」
鬼神になっても、手に入らないのならば…いっそ…
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久しぶりすぎて何書こうとしていたのか覚えていません。
このお話もとりあえずの文としてお楽しみください。
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フィン - めっちゃ面白くて好きです! (12月3日 20時) (レス) @page16 id: 87fcaa2032 (このIDを非表示/違反報告)
モブのプリン(プロフ) - ヤヴァイこの続き気になりすぎるんだが???とりまお気に入りとーろくしとこ (2021年2月22日 23時) (レス) id: 290b8ce4dc (このIDを非表示/違反報告)
渡(プロフ) - 面白いです (2021年2月3日 21時) (レス) id: c3f8edfab8 (このIDを非表示/違反報告)
鋳汚 - 面白かったです!更新はまたされますか?頑張ってください! (2020年11月20日 22時) (レス) id: c043956606 (このIDを非表示/違反報告)
イズキ(プロフ) - めっちゃ面白かったです!更新楽しみにしてます!(≧ω≦) (2020年10月5日 2時) (レス) id: 0ea8b0dbfd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ラヴァン | 作成日時:2020年5月22日 23時